話し合っているのに不安が残る理由
結婚前、多くのカップルは真剣に話し合いを重ねます。将来のこと、お金のこと、仕事や家族のことなど、時間をかけて確認しているにもかかわらず、「なぜか不安が消えない」と感じる人は少なくありません。
それは、話し合いが足りないからではなく、「感情」「事実」「価値観」が混ざったまま会話をしていることが多いからです。

例えば、「きっと大丈夫だよ」という言葉は感情です。しかし、「毎月の収入はどのくらいなのか」「貯金はあるのか」という内容は事実です。そして、「どんな家庭を築きたいのか」「仕事と家庭をどう両立したいのか」は価値観の問題になります。
この三つは似ているようで、実はまったく別のものです。

ところが、不安が強くなると、人は感情で事実を判断しやすくなります。逆に、数字や条件だけで安心しようとしても、心が追いつかないこともあります。だからこそ大切なのは、「何が感情なのか」「何が事実なのか」「どんな価値観の違いがあるのか」を分けて整理することです。

整理されると、漠然としていた不安が「理解できる不安」に変わります。そして、二人で何を確認すればよいのかが見えやすくなります。
結婚前に本当に必要なのは、不安を無理に消すことではありません。感情を否定することでもありません。大切なのは、二人の考えを整理し、理解できる状態に整えることなのです。

(一社)日本結婚カウンセリング協会
上級プリマリタルカウンセラー 遠藤壽彦
J-mca.com