4月某所。僕は小学生になった。
せかせかと朝から化粧をする母親。
「早く食べたら洋服着替えなさい。!」
弟の優が邪魔をしてくる。
「触るな。」嫌いでも嫉妬でもないが、好きでも嫌いでもない。
「お兄ちゃんなんだし、これから小学生になるんだから、弟にも優しくしなさい。」と母親は言う。
朝からうるさい小言ばかりで、嫌になる。
母親と歩きたくないから、走って小学校に向かった。
適当に入学式を終え、1年3組のクラスに行くと、真新しい教科書が机に置かれていた。
席に着くと、隣のやつが話しかけてきた。
「俺、慎平って言うんだ!よろしくな。お前の名前はなんていうの?」
「ぼ・・・く・・。俺は、亮って言うんだ、よろしく。」
初めて自分を俺って呼ぶことに恥ずかしさを感じた。
「亮かぁ、じゃぁ、俺達もう友達だな。(笑)」
「おう!」
なんだか、久しぶりに嬉しさがこみあげた。
今日から僕とは言わず、俺!って言うことに決めた。