　5月15日月曜日。6時40分起床。睡眠時間８時間５分（正味約７時間半）。小雨。気温低し。

　午後一時的に明るくなり気温が上がったが、雨もぱらつき、また気温が下がった。

　療法士のSさんが病院のバラのある場所を教えてくれたので見に行く。諏訪の日赤病院から転院したときに車を駐車した場所の、県道沿いのフェンス内にバラが何株も植えられており、いろいろな色のバラが咲いていた。初めて訪れたときにバラに気づかなかったのも無理はない、もう50日以上前の3月下旬だったから花など咲いていなかったのだ。わが家のバラたちはどうなのだろうか。標高950メートルの高原で陽当たりもかんばしくないからまだ咲いていないのかも知れない。それに咲いていればＫ子がすぐにも写真を送ってくるはずだが、それもまだない。

　バラを撮影した後、フェンスに沿って病院の敷地を一周することにした。まだ退院の日程は知らされていないが、2ヶ月という入院予定は書面で知らされており、だとすれば来週には退院ということになるはずである。退院後は左腕の一部機能を失ったまま、Ｋ子はいるにしても、自力で日常生活を送らねばならず（それもまたリハビリである）、しっかり歩けることが基本である。そのための歩行訓練を心がける必要がある。Apple Watchで歩数を測ったら一周約730歩であった。今日は無理せずとりあえず２周したが、１日3回の病室からリハビリ室までので往復歩数が1500余だから、今日の歩数は3000歩を超えた。（現在午後９時の段階では3,800を超えていた）３回のリハビリはかなり体力を消耗するので3,000ぐらいで抑えておくのが賢明だろう。

　昨日のブログでアップした「二十世紀少年の秘密基地」には続きがあった。

　「正義の味方」 → 二十世紀少年たちはみな正義の味方に憧れていた。余談だが、「正義の味方」が活躍する映画、テレビドラマ、漫画などで二十世紀少年たちは「正義」を学んだのではないか。「悪を憎み、弱きを助ける」正義の味方の姿が少年たちの感性を育てたのだ。検事にしても、弁護士にしても、警官にしても、役人にしても、子どもの頃に「正義の味方」に憧れたことがない人がなっていたとしたら、何か恐ろしい。

　もちろん、世の中も人間も、虚構の世界のように単純ではなく、正義感でもってすべてが解決するわけではないなく、逆に、正義感が問題を複雑にしてしまうこともある（グレアム・グリーンの『静かなアメリカ人』ではベトナム戦争を拡大させたアメリカ人の単純素朴なメンタリティを描いていた）ことは承知の上である。だから正義の味方は「含羞の人」でなければならない。だいたい、正義のヒーローの代表格であるスーパーマンの格好を思い出してもらえばわかるが、青のタイツに赤い海パンという姿は相当恥ずかしい。なぜマントが必要なのか知らないけれども、もしもマントがなかったら、な、な、何だ、コイツはとなるだろう。日本のヒーロー月光仮面も同じくらいおかしい。演じていた役者たちも相当恥ずかしかったにちがいないが、正義の味方たちも羞恥心を抱えていたにちがいない。しかし、彼らは羞恥心よりも正義を優先したのだ。

　だからぼくはジョウジ秋山の『パットマンX』が好きなのだ。含羞のヒーロー、パットマンX。世界は恥ずかしげもなく正義を振りかざす輩が多すぎる。

入院84日目（転院53日目）〜含羞の正義の味方