　９時の気温は−２度。昨日より陽光はまぶしく気温も上昇したが、風は冷たく庭の雪はとけない。ウッドデッキの屋根の雪はさすがにとけていまにもずり落ちるそうだ。小さな氷柱を伝って水滴がきらめきながら落ちる。

　午前中に竹西寛子の「与謝蕪村集」を読了。若い頃好きだった萩原朔太郎は俳句が嫌いだったようだが、唯一の例外が蕪村で、「郷愁の詩人与謝蕪村」という文章を書いている。それを若年で読み（ごく最近も読んだのだが）感動し、次いでたしか「日本詩人選」というシリーズの一冊であった安東次男『与謝蕪村』の斬新な論考に驚嘆したこともあって、蕪村は好きだったが、竹西寛子の柔軟な感受性豊かな評釈を読み、ぼくももっと蕪村を極めたくなった。

　午後買い物をすませた後、山々がきれいだったので、車を田圃を貫く道に停めて少し歩いた。風が冷たい。田圃にはまだとけ切らぬ雪が残り、畦にはまだ緑は見えない。南アルプス連山は傾いた陽の逆光の中で影になっているが、富士山、八ヶ岳、茅ヶ岳、そして金峯山は西陽にくっきり輝いている。

　帰宅後はガルシア・マルケスの短編を読むが、すぐに肩が凝り始め、読書に集中できない。頭も発熱してくる。

　夕食後中国映画『風船と羊飼い』を観る。チベットの羊飼い一家の物語。映像を持って語らせるという当たり前なことが当たり前に行われている映画だ。

寒風や西陽隈取る八ヶ岳（Feb. 18, 2022)