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 雲ひとつない青空が広がる数日前、斑鳩の里を歩きました。
 
 普通は法隆寺から中宮寺、法輪寺、法起寺をめぐるのですが、今回は時間の都合で法輪寺と法起寺の2ヶ所だけにしぼりました。
 
 この時期ですから当然コスモスの花を目当てに行きました。
 
 例年ならば10月の中旬から11月の初旬がその時期に当たるようですが、
 今年ほど満開の時期を推測するのが難しい年はありませんでした。
 
 それでもコスモスは花期の長い花ですから、桜のように行ってみたら散っていた、と言うことはなさそうです。
 
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 昔のたたずまいを感じさせる民家の中の細い路地を抜けると、秋の田園が目の前に広がりました。
 
 この法輪寺と法起寺の案内標識もいつものとおり、同じ場所にありました。
 
 こんなに良い天気なのに私を除いて誰も歩いている人がいません。
 
 法輪寺の三重塔が望める場所に来ると、手前に満開のコスモス畑が現れました。
 
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法輪寺三重塔とコスモス
 
 はてこんなところにコスモス畑があったかな、と思いながらもカメラのシャッターを押していると、やはりこの景色をカメラに収める人が次々と現れました。
 
 車で来て観光をする人が多くても、私のように歩いてまわる人は少ないようです。
 
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法輪寺三重塔
 
 今日は晴天に恵まれて風もさわやかで歩くのには最高ですが、何箇所も巡らなければならない観光客にとっては車は重宝なのでしょう。
 
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法輪寺三重塔と途中の斑鳩の風景
 
 法輪寺から晩秋の陽射しを受けながらゆっくりと15分も歩くと法起寺に着きます。
 
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法起寺山門
 
 法起寺の正門側です。この門はいつも閉まっています。
 
 幹線道路とは反対側にあるこの場所からいつも眺めます。
 
 咲き終えたコスモスもありましたが、まだ蕾のものもあってまだまだ見頃は続くでしょう。
 
 コスモスが満開の季節にはいつも見慣れた風景です。
 
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法起寺三重塔とコスモス
 
 コスモスと三重塔と青い空と、完璧な舞台装置なのにこれを鑑賞する人は2~3人。
 
 でもこの静寂さが古の時代の斑鳩の里には似合っているのかもしれません。
 
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 今は午後を少し過ぎた時刻。
 
 コスモスの花が正面から日光を浴びる時間です。
 
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 この日は冷たくはないけれどやや強い風が吹いていました。
 
 そのためにコスモスの花はあちこち首を振って、撮るとぶれてしまいました。
 
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 ここに来るといつも頭を悩まします。
 
 それは花にピントを合わせるか、三重塔にピントを合わせるか、です。
 
 「どっちもです」という答えが返ってきそうです。
 
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 両方にピントを合わせてみました。
 
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 この花の海を泳げるものなら泳いでみたい、そんな気持ちになります。
 
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 みんな同じように見えてもひとつひとつの花には個性があるようですね。
 
 白い花も純白なものもあるし、ねずみ色のような花もありました。
 
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 白色だと見えていた花も近づくと、淡いピンク色だったこともあります。
 
 まわりのさまざまな色にだまされて、本当の色が見えないことがあります。
 
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 コスモスの花は殆どが布団の柄にでもなりそうなピンク系の色ばかりです。
 
 この暖かそうな色が晩秋の季節にはぴったりです。
 
 ブルー系のコスモスは自然界に存在しないと言われているのもうなづけます。
 
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 陽がだいぶ傾きました。
 
 夕暮れ時の眺めも一段と趣があるようですが、ゆっくりもしていられないのです。
 
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 斑鳩(いかるが)という地名は、その昔斑鳩という鳥がいたからだと言われていますが、今日見つけることが出来たのは農道をぴょんぴょんはねているハクセキレイでした。
 
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 晩秋の快晴の空の下、およそ4時間、斑鳩の里を歩いてみました。
 
 山々の木々は紅葉にはまだ早いようですが、敏感な国道の並木は早速紅くなっていました。
 
 山々が紅く染まるのはもうそんなに遠くないだろうと、帰路に感じた空気の冷たさでした。
 
 
(2016年11月7日 撮影)