前回のつづき
いつか来た道
無断転用禁止
2月中旬頃のことじゃ。
昨日から長野県・開田高原で車中泊をしながら冬景色を撮影していいるのじゃがのう。
これといったお目当てもないまま、あちらこちら車を走らせながら手当たり次第にパチリパチリとやっているのじゃ。
前回で民家の軒下のツララを撮った後、だだっ広い田園地帯へやって来たわい。
雪面に朝光が影を描く。
今日はいい天気じゃ。
遠くで木立がキラキラ光っているわい。
もっと近くで見てみたいが、目前の雪がこの老人の進入を阻んでしまうのじゃ。
道路際の小枝に雪?氷?がくっついていたわい。
白い花が咲いているようじゃのう。
先程、遠くで光っていたのはこれだったかもしれぬ。
♪砂に書いたラブレター♪ならぬ「雪に描いたストライプ」。
真っ新な雪のキャンバスにお天道様がストライプを描く。
水生公園の近くの水車小屋にも行ってみた。
この水車小屋が起動しているところを見たことがないが、これも多分観光用じゃろうのう。
ここもご多分に漏れずツララが垂れ下がる。
ワシの地域では最近ツララなど見たことがないから思わず撮ってしまうわい。
傍にはスイレンやカキツバタの咲く池があるのじゃが、当然ながら冬場は影も形もないわい。
氷を破って池の中から芽?が出ているが、これはもしかしてカキツバタ?
*
あちらこちらをウロウロしてみたがめぼしいものは何もなかったわい。
しかしワシの好きな雪景色は堪能したことじゃし、そろそろ帰るとしようかのう。
しかし待てよ。
帰るにしてもいつも通る同じ道では面白くないのう。
たまにはいつものトンネルを抜ける道はやめて、別の道を通って帰るとするか。
久しぶりに通る道の目の前にはドカンと霊峰御嶽山。
そして……
思いがけなくも長年忘れていた懐かしい風景が飛び込んで来たのじゃわい。
崖っぷちに巨大なツララが何百メートルにも連なっている光景じゃ。
この道はめったに通らぬからすっかり忘れていたわい。
御嶽山から滲み出る伏流水が氷点下になるにつれてちょいとずつ凍り、年によっては幅250m、高さ50mにも及ぶ巨大な氷柱群になるという。
もう何十年も前のことじゃが、わしもこの巨大ツララ群を至近距離から撮影したことがあるのじゃわい。
わしが撮影した氷柱群はここからもうちょいと横へ移動した川の傍にあってのう。
そこへ行けば巨大氷柱群を目の前で仰ぎ見ることが出来るのじゃが、その河原には大きな石や岩がゴロゴロ転がっているのじゃよ。
そんな所へこんなヨタヘロ老人が行けるわけがないわい。
足腰が今よりマシなころに1、2度行ったきりで、あれ以来ご無沙汰したままじゃ。
わしが行った氷柱群はここからもその一部を遠望できる。
懐かしいのう。
出来ることならもう一度行ってみたいのは山々じゃが、石ころがゴロゴロしている河原では、もう遠くから指をくわえて見ているだけじゃわい。
これが昔々撮った画像なのじゃがのう。
同じツララでも先ほどの民家の軒下のツララとは規模が違うわい。
まるで氷のカーテンのように何十メートルもの高さから水辺に垂れ下がっていた。
画面には年寄りの進入を阻む石も見えるのう。
近くで眺めるのと遠くからではちょいとばかり印象が違うわい。
その時その時の気温や水量によって違うかもしれぬがのう。
今回も大したエモノは見つからなかったが、いつもとは違う道を通ったお陰で、忘れていた氷柱群を見ることが出来たわい。
開田高原の次回の訪問は勿忘草が咲き出す初夏のころになるじゃろうのう。
毎年同じ写真ばかりの繰り返しじゃが、この歳になっては詮無いことじゃ。
長々とお付き合いしてくだされた皆の衆に感謝しながら今回はこれでオサラバさせてもらいまするわい。
またのおめもじを楽しみにしていますぞえ。
おしまい
無断転用禁止

























