前回のつづき
朝光を求めて
ダム湖の朝
無断転用禁止
ここはワシがホームグラウンドの一つにしている近所のダム湖ー。
晴天を信じて車中泊をした翌未明じゃ。
午前6時前で3℃。
真冬にしては気温が高いわい。
これでは冬らしい朝霧も毛嵐も出ないわのう。
それよりも今日は果たしてお天道様に拝顔出来るかどうかが問題じゃ。
昨日は一面の曇り空じゃったから心配なのじゃ。
日の出前の暁闇の中、ヘッドランプを頼りにヨチヨチと河川敷へ降りて行くと…
おお~!
いつの間にやら雲一つない晴天になっているわい。
西の空には立待月がくっきりと。
見る間に明るさを増す東天。
静謐の湖面に…
時々微風が吹き渡る。
山蔭はまだ暗いわい。
この岸辺に朝一番の光が射し込んでくれぬものかと、昨夜から期待しているのじゃが、さてどうなることやら。
湖畔を通る道路の信号機が暗い湖面に彩りを添える。
紅色から黄色へ。時間の経過とともに変化して行く湖面の色合い。
朝と夜の狭間。
静かな湖面で時々魚の跳ねる音がする。
その瞬間を狙ったが、力及ばずこの体たらくじゃ😫
流れ込んできた浮遊物まで色づいている。
日の出間近になってきた。
しかしあの位置からではダメなのじゃ。
もうちょいと左寄りでないとワシの望む場所には陽が当たらぬぞえ。
ワシの予測が外れたわい。
この分では谷間の真ん中になるのは2月末ぐらいになるかのう。
待ち構えていた朝一の光はこんなところに射し込んで来てしまったわい。
こりゃ見当はずれじゃったわい。
またもや出直しじゃ。
湖の中の岩にまで日差しが届き、湖畔の立ち木も明るい影を落とす。
明るくなった中州が湖面から浮き上がっているようにみえる。
今ごろになって、やっとお目当ての場所に光が射したがもう遅いわい。
真っ先にここへ射し込んで来てほしかったのう。
樹木の向こうではさざ波が煌めく。
こんな雑草でも光のお恵みがあるとなしでは大違い。
さんざめく湖面。
邪魔者の浮遊物でも光の御威光で絵になるわい。
知らぬ間に日常の見慣れた風景に戻ってきた。
こうなればワシも退散の時間じゃ。
今回は日の出の方角をちょいとばかり計算違いしてしまったわい。
しかし失敗は成功の基。
もうちょいとお天道様が左へ移動して、谷間の真ん中からお出ましになるころにまた出掛けるつもりじゃ。
その時にはまたお付き合いくだされや。
うまく行ったらお慰みといったところじゃ。
それでは皆の衆。その日までご機嫌よろしゅうのう。
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おしまい
無断転用禁止



























