前回のつづき
癒しの楽園
無断転用禁止
折に触れては出かけている「熊出没注意」の看板が立つ森へ今日も来ているのじゃよ。
お目当てはこの時季に咲くクリンソウの撮影じゃ。
今までにも何度か述べて来たことじゃが、このブログへ初めて訪問してくだされた衆もおありじゃろうから改めて述べさせていただくのじゃが、クリンソウの名はその形から五重塔などのてっぺんにも見られる「九輪」に由来しているという。
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九輪(NETより)
この森にはクリンソウの咲く場所が二ヶ所あってのう。
そのうちの一ヵ所は先程撮り終わった(前回投稿済)からこれからもう一ヵ所の群生地へ行って見ようと思っているのじゃ。
最初の撮影地を後にして、車はどんどん森の奥へ。
数百メートル走ったところで急に前が開け、深い森に囲まれただだっ広い平地にたどり着いた。
車はここが終点じゃ。
そこからカメラを担いでトボトボと草むらを歩いて行くと…
見えて来たぞえ。お目当てのクリンソウの咲く湿地が…。
こじんまりとした湿地に点々と紅色のクリンソウが見えるわい。
ここにはこんな看板があるのじゃよ。
用心のために長靴を履いてはいるがのう。
熊におびえ、マムシにおびえながら、それでも性懲りもなく出かけてしまうとは厄介な道楽に取り憑かれたものじゃわい。
大きな倒木が湿地の上に覆いかぶさっている。
去年はこんなことになっていなかったのじゃがのう。
ここは先程の撮影地とはまた趣が違う。
先程(前回)のクリンソウは深い森の中のほんのわずかな空間じゃったが、こちらはチッコイながらも立派な湿原じゃ。
言って見ればこの湿地が本店で、先ほどの場所は支店みたいなものじゃろうのう。
道路際の花とは雰囲気がちと違うわい。

それにここは観光目的に栽培したクリンソウではないからのう。
観光地でよく見られるように、所狭しとばかりに辺り一面が花で埋まっているというわけではなく、適当な間隔で咲いているところが如何にも自然体じゃ。
自生している花は自然感が横溢しているわい。
大量に栽培しているところは全国にあちらこちらあるが、観光客誘致目的が見え見えで、あまのじゃくのワシにはどうも面白くない。
それにそういう場所には看板や柵などの人工物が設置されているところが多く、それが撮影の妨げになるからのう。
湿地に落花した山ツツジ。
クリンソウの間を縫って流れる小川。
さて、そろそろここは引き揚げて、最初に撮影した場所に戻り、明朝に備えるかのう。
帰りがけにこんな看板を見つけたぞえ。
「木地屋敷跡」の文字が見える。
昨年来た時にはこの看板に気が付かなかったのう。
木を切り倒してお盆やお椀などの木工品を作り生計を立てていたという木地師―。
江戸時代の中期から大正にかけて、この辺りに木地師が住んでいたという話は聞いていたのじゃが、こんな湿地に建物があったとは不思議千万じゃわい。
わざわざこんな湿地帯に住まなくてもよさそうなものじゃが、何かわけでもあったのかのう。
さてそれではまた最初の撮影場所へ戻るぞえ。
今夜はあそこで車中泊して、明日は朝光に輝くクリンソウを撮影するつもりじゃ。
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元の場所へ引き返してくると西日が周辺の樹々を照らしていた。
直接花に光が当たらなくとも、これはこれで面白いわい。
この分なら明日も晴れそうじゃのう。天気予報も晴れだというし。
きっと朝光に輝くクリンソウを拝められるわい。
楽しみなことじゃ。
しばらくすると陽はとっぷり暮れて辺りは宵闇に…。
花の白さだけがやけに目立つ。
露出補正をして明るく見せてはいるが、実際にはかなり暗くなった。
今日の撮影はこれで終わりじゃ。
ワシも“動くホテル”へチェックインしてディナータイムにしようかのう。
森閑とした森の中での一人酒もなかなか乙なものじゃて。
つづく
無断転用禁止























