この世は闇 | 89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

89歳の車中泊撮影記~風景写真に魅せられて~

風景写真に魅せられた後期高齢者が、時には車中泊を織り交ぜながら撮影を楽しむ様子です。
                       
                       








                        

この世は闇

 

無断転用禁止

 

 前回の琵琶湖では大失敗をやらかしたからのう。

 

 今度こそ名誉挽回の傑作写真をと意気込んでいるのじゃが、やはりこの時期は写欲をかき立てられるような撮影ポイントが思い浮ばぬのじゃよ。

 

 しかしボケボケしていると間もなくお盆休みが始まるからのう。

 

 道路は混むし行楽地も大混雑になるぞえ。

 

 行くなら今日(8月9日)しかないわい。

 

 天候や場所なぞ考えている暇はないのじゃ。

 

 行先は手っ取り早いところで、ワシがホームグランドにしている「熊が出る(という看板の立つ)森」じゃ。

 

 というわけで早速出かけたのじゃがのう。

 

 

 しかし待てよ。

 

 その森へ行く前に、毎年のように撮影に行っていた、黄色い花(ハンゴンソウ)の咲く高原へ寄り道をして、花の様子を見てみたいわい。

 

 例年では今が見ごろのはずじゃが、この数年来、あまり咲かなくなったし、電柵で囲われてしまって、撮影には不向きなポイントになったのじゃよ。

 

 しかし年に一度ぐらいは様子を見に行きたいからのう。

 

 ・・・と、いうわけで、ちょいと回り道をしてその高原にやって来たのじゃ。

 

 

 こんなところなのじゃがのう。

 

  標高1400メートル前後の高原じゃ。

 

 

 

 午後1時過ぎでもこんな快適な気温じゃ。

 

 下界では40℃になるとかならぬとか言って騒いでいるが、ここはまるで別天地じゃわい。

 

 夏はやっぱり高原に限るのう。

 

 

 

 気になっていた黄色い花の咲き具合をみてみると、今年もやはり哀れな姿をさらしてござるわい。

 

 この数年来こんな冴えない咲き具合が続いているのじゃ。

 

 

 

 かつては見事な花園じゃったのにのう。ダウン

2016年撮影

 

 

 それが今では・・・ダウン

 電柵の中でほんのわずかに栽培されているだけなのじゃ。

 

 電柵の中の花ではお話にならぬわい。

 

 

 

 草原にも咲いてはいるのじゃが、こんなに寂しい姿では、撮る気になれぬ。

 

 やっぱりここでの撮影はヤメにして・・・

 

 最初の予定通り、熊出没注意の看板が立つ森へ行ってみることにするわい。

 

 

 

 ところが!

 

 ところがじゃ!

 

 

 

 着いてみると・・・

 

 こ、こりゃどうしたことじゃ!?😲

 なんと!

 

 熊出没注意の看板のそばの道路に、こんな看板が立ちふさがっていたのじゃ!

 

「管理道のため一般車両進入禁止」

 

 😨!😨!😨!😨!

 

 四季折々、ここをホームグランドとして何十年も通いつめてきたというのに、いきなり進入禁止じゃと?

 

 何故じゃ?

 

 なぜ急にこんなことになったのじゃ。

 

 理由は何じゃ? 理由を話してくれ!

 

 ワシに何の相談もなしに、勝手にこんなことをしてもよいものか!

 

 この世はもう真っ暗闇じゃ!

 

 「・・・・・・・」

 

 いくらわめいても叫んでも辺りは森閑としていて、周りの木々を渡るひそやかな風の音が聞こえるだけじゃ。

 

 

 

 よ~し。

 

 もうこうなったら自分の足で歩いてやる!

 

 徒歩進入禁止とは書いてないからのう。

 

 今まで徒歩でなぞ通ったことはないのじゃが、見ていろよ、こんな腰痛持ちのヨタヘロ老人でも火事場の馬鹿力を発揮してやるぞえ。

 

 ・・・と、カメラ用具一式と、腰には銃声音と鈴の音が録音されている熊よけのレコーダーをぶら下げてヨタヨタ歩き出したというわけじゃ。

 

 


 何十回、何百回となく通い慣れているこの道じゃが、徒歩で往復するのは初めてじゃわい。

 

 今までは車で通りながら、所々で降りてはパチリ、パチリという具合じゃったからのう。

 

 

 

昔は坂の下の方まで降りて行ったものじゃが、こんな年となってはもう指をくわえて眺めているだけになってしまったわい。

 

 

 

  柔らかい逆光が森の中に充満し、深緑が映える。

 

 

 

この森はヤケにマムシグサの多いところでのう。

 

 

マムシグサは春にはこんな形をしているのじゃよ。ダウン

 

それが夏になるとこんな姿になりダウン

 

表皮がはがれると中から青い実が・・・ダウン

 

やがて秋になるとその実がだんだん赤くなって行き・・・ダウン

 

11月ごろには真っ赤になる。ダウン

春のころとは似ても似つかぬ姿に大変身じゃ。

 

 

 

 何とか森の出口近くまで歩いて来たのじゃが、腰が痛いやら疲れるやら・・・

 

 

 

 こんな風景ばかりでは面白くも何ともないわい。

 

 

 

 やっとの思いで森を抜けてきたのじゃが、目ぼしいエモノは何にもなかったのう。

 

 しばらくは木の根っこに座ってへたり込んでしまったわい。

 

 しかし一難去ってまた一難。今度は復路が待っているぞえ。

 

 

 

帰りは・・・

ヨタヨタ、ヘロヘロ×2

 

 

 

 

 それにしてもなぜ通せんぼなぞしてしまったのじゃろう。

 

 いくら考えても腑に落ちないわい。

 

 

 

86歳の老人がこんな苦労をしてまでこの森のすばらしさを皆の衆に知らしめようとしているのに、通せんぼしてしまうとは何事じゃ!

 

 

 

何とか車へたどり着き、ドアを開けるや否や後ろの「ベッドルーム」へ転がり込んだわい。

 

 

 

 しばらくは青息吐息で横になっていたのじゃが、そろそろ夕闇が迫ってきたようじゃ。

 

 やがてのそのそと起き上がり、気付け薬に🍺を一気に流し込んで、一人だけの晩餐会の始まりじゃ。

 

 明朝はまた地獄のウォーキングが待っているからのう。

 

 景気づけにもう一杯余分にヤルとするか?😜

 

撮影 8月9日

 

つづく

 

無断転用禁止