--出国--


スカイライナーは成田空港第一に到着した。集合場所は4F出発ロビー。

集合時間までまだ少し時間がある事だし、空港探索でも・・・なんて思っていると、携帯が鳴った。


「今、着いたんだけどどこにいる?」


インディ君からだった。どうやら同じ電車に乗っていたようだ。


オレとCHERRYは空港探索をあきらめ集合場所と足を運んだ。


「久しぶり!」


突然背後から声をかけられる。

はっと振り向けばそこには半年前と変らずデカイ体のインディ君がいた。

どうやらインディ君は玄之介と一緒に成田まで来たようだった。

玄ちゃんは半年前よりさらに細身になったんではなかろうか?


これでまた4人終結だ!さあ出かけよう!灼熱のタイへ!


まずは4人でチェックインカウンターへ。荷物をチェックし、搭乗手続きを済ます。

すっかり旅慣れたオレの荷物は少ない。下着とウェットティッシュが入っているくらいのものだ。

もちろん預ける荷物など無く持ち込みだけ。無駄な手続きは極力省いたほうがスムーズだからね。


しかし、玄ちゃんの荷物が小さい。そんなんで海外旅行にいけるもんなんだろうか?

あれ?インディ君、荷物なくね?どっかに忘れてきてるよ?


「荷物いらないって言ったじゃん。つってもオレも完全に手ぶらってワケじゃないよ。

財布とパスポート、それにさっき来るとき駅前でもらったティッシュをもってる」


うはwwwwあんた漢やwwwwww


まるで近所のコンビニに行くようなカッコで海外旅行に向かうインディ君にほれたw

まさか本気で手ぶらで来るとは思いもしなかった。しかもサンダル履きw

旅慣れてるとか言ってるオレの持ってる荷物でかすぎ!wテラハズカシスwww


インディ君の地球はオレよりも遥かに小さいらしい。


そんなオレら一同は、手続きを済まし搭乗ゲート目指す。

  

えっとオレらの乗る飛行機は・・・              あった!NW27


搭乗ゲート前に着くと緑のジャージを着た中学生みたいな連中がいっぱいだった。

英語で会話しているので英語圏の修学旅行か何かなのだろうか?

それにしてもうるさい。特に白人の子はうるさく感じる。

オレは子供が苦手なのでみているだけでイライラしていた。

一緒の飛行機かと思うとそれだけで吐き気がしてくる。


時間になり飛行機に乗り込むと、やっぱりガキンチョどもがうるさい!!

こんなんと何時間も一緒かと思うと早くも帰りたい気分になるわ!


ボーディングパスを見ながらシートを確認。

せめてガキンチョどもから遠い席になってくれ・・・


って、あれ?この席の並びおかしくね?


|通|     オレ→○●●○←CHERRYi|通|

|路| インディ君→○●●○←玄ちゃん |路|

                                ※●はガキンチョ


4人全員ばらばらwwwしかも間は厨房wwww

オセロだったらひっくりかえしてやるのにww

これは、最悪な空の旅になりそうだorz


「当機はオーバーブッキングの為、明日の便への振り替えをしていただけるお客様を求めております」


ん?なんだか聞きなれないアナウンスが流れた。オーバーブッキングという事は人多すぎってことか?

完全予約制なのにこんな事ってあるのか?


「なお、振り替えに際しましてはシートのグレードアップ、成田のホテルなどの費用はこちらで負担いたします」


ほーそんな事までしてくれるのねぇ。

もしこれが一人旅だったら間違いなくしてるな、オレ。

ガキンチョから開放されてされに上のクラスのシート移動できるなんて夢のようだ。


なんて考えてると女の子が話しかけてきた。

どうやら彼女は席を替えて欲しいと言っているみたいだ。

どうせ、席もバラバラだしここから開放されるならいっかと席を替わる事にした。

他の連中に「また後で」伝え遥か後方の席に移動。

いやぁ、コレで開放される。


と、思った先にいたのはやはり中学生だったorz


--いざ、出発 --


11/4 16:00 成田国際空港4F出発ロビー集合


いつから「成田国際空港」って言うようになったんかね?

昔は「新東京国際空港」だった気がするんだが。

「成田空港もディズニーランドも千葉なのに東京かよ!」

なんて言ってた気がするんだが・・・


オレとCHERRYはスタジオに集合し14:00前に出かけた。

オレの住む埼玉のはずれ川口市から成田国際空港までは
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川口       14:19 発 JR京浜東北線

日暮里     14:45 発 京成スカイライナー

成田国際空港 15:40 着

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といった具合だ。


ビールでも呑みながらゆっくり行きたいので少し早めに出発した。

オレは今回の旅で今年4度目の海外旅行だ。

さすがに、年間4回も行くと旅慣れたもので余裕もできてくる。

旅行に際し荷物と時間には余裕もたせたほうがいい。


川口駅から乗り慣れたいつもの京浜東北線に乗り

きっとこれから起こるであろう何かに妄想をふくらませぺちゃくちゃと話し続けた。

そして、京浜東北線は西日暮里駅を通過し。

乗換駅である日暮里駅を通過し。

え?通過・・・???


ん?なんで日暮里止まんないの???

ちょっと!JR!!ジャックでもされたか?オイ!


JR京浜東北線は次の鶯谷駅でも止まる事は無く上野駅へと到着した。

あわてて電車から降り、下りの電車を見ると


快走・・・


何が旅慣れてるだ!何が乗り慣れてるだ!

自分の乗ってる電車が日暮里に止まらない事すら知らなかったじゃねーか!!


だが、まだだ、まだあわてるような時間じゃない。

こんな時の為に時間に余裕をもっているのだ。

確かオレの記憶ではスカイライナーは上野始発のはず。

ならば、上野から乗ればいいではないか。


クールなオレはそう判断し、JRの駅から外へ出た。

不忍口を出て聚楽の前を抜け、京成上野駅を目指す。

この辺は昔から変わらないなぁ


「そういえば生まれて初めて映画を観たのって上野だったんだよ。『のび太の恐竜』見たんだよなぁ」

そんな話をしながらほてほてと歩く。上野に映画館は無くなったらしい。

変らないと思っていた上野にも再開発の時が訪れている。

これから海外旅行に行こうというのに、なんだか上野でちょこっとセンチな気持ちになった。


そして、京成上野に到着しスカイライナーの切符を購入。

時計を見ると、14:30。スカイライナーは14:40分の出発だった。

やっぱり時間に余裕があるのはいい。

サッポロ黒ラベルと、バタピーを購入して改札を通過する。

後は成田国際空港まで一直線だ。


ところがCHERRYの姿が無い。

ふと、後に目をやればパタパタと改札前で自分の体をはたくCHERRYがいる。


「??どしたん??」

「切符が無い!!」


おまwwww買ってから3分も経ってねーよwww


次のスカイライナーは15:20・・・

これだと待ち合わせの時間には確実に間に合わない!


探せ!CHERRY!!まだそんなに時間は経っていない!どこかにあるはずだ!

売店まで急いで戻るCHERRY。置いていこうか真剣に悩むオレ。


時間は迫る

14:31・・・14:32・・・14:35・・・

こいつはダメだ!もう、置いて行こう!!

次の電車で来ればいいさ、運がよければまた会おう!アディオス!!


「じゃ、オレ行くから・・」

「あった!!!」


歓喜の声と共に切符はCHERRYの体からこぼれおちた。

オレ達は階段を駆け下りあわててスカイライナーに乗り込んだ。

スカイライナーは日暮里駅に止まり、成田に向けて走り始めた。



窓際の指定席に座り黒ラベルをプシュッと開け、ちびりと一口呑んだ。

「まだ、始まったばかりなのに、終盤に差し掛かったみたいだな」

沈む夕日を見ながら、スカイライナーの車窓に思った。


オレ達はまだ、成田国際空港にすら辿り着いていない・・・

--男4人でなんでタイ?--


今年の3月に男4人で台湾に行ってきた

アジアに詳しいインディ君に案内してもらおうって寸法だった。

しかし、オレ一人自分の店を休んで旅行ってのはさすがに気が引けるもんで

スタジオ を共同経営してる相方のCHERRYも一緒に行く事になった。

これなら負い目を感じず旅行を満喫できるわだ。我ながらずるがしこいww

しかし、この3人てのはどうにもホテルが取りずらい。

ならばと玄之助を誘い4人で行く事になった。



男4人で台湾旅


これがまた非常に楽しかった。行く先々で美味しいものを食べ

時には温泉につかり、時には蝦なんかも釣ったりした。

  

小龍包。こんなうまい小龍包初めて食べた。        釣った蝦とか即料理してもらったりして、これまた美味!


そしてオレ達は旅の終わりを惜しんだ・・・

たくさん歩いて疲れ果てた。食べすぎで胃の調子もよくない。

それでも楽しかった旅を振り返りビールを呑んだ。


また、みんなでどっか行きたいねぇ

そうだねぇ

今度はさ、タイに行こうよ

そうだねぇ

11月とかどうかな?

いいかもねぇ


そうやってほろ酔いなオレは適当な返事を繰り返し

台湾の夜は更け、旅は終わりを告げた。

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そして半年が過ぎ、10月を向かえ秋になった日本。

空気は冷たくなり木々が色づき始めた頃だった。


「ノムラ君、来月タイ何日から行こっか?」


こんな内容のメールがインディ君より届いた。

はて?一体何の事やら??・・・


あ!?そうだ!!!タイに行く約束してた!!


インディ君はそんな口約束を覚えていてくれたのだ!

しかし、オレには金が無い、そして暇も無い。まさに貧乏暇無しだ。

それでも楽しかった旅を思い出すといてもたってもいられない。

今すぐにでも飛び出して行きたい気持ちだ!


「んじゃ、11/4に成田集合で、荷物はいらないよ


そしてオレ達むさくるしい男4人は、再び成田に集結することになった。