--Supermercato--


シャワーを浴び、まずはホテルの電話で日本に電話した。

仕事もあるし、心配してる友人もいることだろう。


「もしもし、ノムラだけど、イタリアでエアチケット無くして帰れなくなってさ・・・」

「あー、ハイハイ。最初っから5泊っていっときゃいいだろ?どうせ、そんなこったろうと思ったよ」

「違うんだって!聞いてくれよ、ちが・・・」

「ハイハイ、わかったよ。じゃね」


心配どころかまったく信じてもらえない。他の友人にも電話だ。


「もしもし、あ、ノムラなんだけど、あの、エアチケット無くして・・・」

「え?何?あーそうガハハハ!ちょっとみんなきいてー、なんかノムラねー」

ダメだ!こいつら呑んでやがる!!!


海外に置いてきぼりにされている友人がいるのになんとも薄情やつらだ!

オレなんか日本に必要の無い人間なんじゃないかと思ってきた。


すっかり寂しい気持ちなってベッドに横たわりテレビをつけた。

言葉がわからないテレビ番組も何日か見てるウチにだいぶ慣れた。

しばらくは何も考えずにテレビを見ていたがどうにもハラがへってしかたがなくなってきた。


考えてみれば今日は空港への往復ばかりでロクなもんを食ってなかったな・・・


ホテルのカーテンを少しあけ外を見る。ちらちらと街の明かりが見える。

よし!何か食べに行こう!このままホテルで腐ってたってしょうがない。

ビールでも呑んでなんかしらハラに詰め込めば惨めな気分も幾分か癒されるだろう。

逆に考えればハラが減ってるから惨めな気分になるんだ。


そう思って夜の街へ繰り出した。


しかし、オレの財布にはほとんどお金が入っていなかった・・・

日本にいる時と変らない貧乏暮らしだが、海外だとそれがすごく不安に感じる。

何を食おうか悩んでる余裕は財布に無い。

日本ならこんな時は吉野家と相場がきまってるんだがな・・・


何か安く食べれるものは無いものか?


コンビニがあればいいのだがローマにコンビニは無い。

あるのはバールばかりだ。


ああ、ハラが減った。歩くのも、もういやだ。


そんな時、目に飛び込んできたのがスーパーマーケットだった。

スーパーなら惣菜もあるだろうし、缶詰くらい売っているだろう。

それになんといっても酒の確保ができるではないか!


さっそく中に入ってみる。広いし、棚が高い。


チーズとか超うまそうだ!

これはこれで中々楽しいではないか。


で、買ってきたのがこれ。


最後の晩餐にはちと寂しい・・・

夕べまでは

  

これで                          これだったのが


これですよ?


テレビを付けワインを開け、チーズや生ハムをつまみながら

こんどこそ最後になるであろうイタリアの夜を惜しんだ。


そして2本目のワインをあける頃にはすっかりいい気分になり、日本やエアチケットの事など忘れていた。

イタリア延泊は空港観光で一日が過ぎた。

明日、いよいよ日本に帰る。