バレエの特徴に、「言葉がない」ことが挙げられます。
見てる方には解りにくいというイメージがあるかもしれません。
最近では、ミュージカルやお芝居のように言葉で説明してくれるバレエ公演も増えてきました。

しかしこの「言葉がない」という事が、バレエの素晴らしさだったりするのです。
バレエダンサーは言葉を超えた、表現力で「心」に伝えます。
お話は理解出来なくても、ダンサーの表情や空気、つま先の先に至るまでその世界を表現していることに気づいたら、これ程刺激的な時間はありません。

私の師は近すぎる!と思うほどいつも私の表情を覗き込む人です。

言葉ではない、ふとした表情や動きの強弱に、人の心は現れます。

それを感じることができたら……大切な人のことももっと見えてくるかもしれない。

なんでも分かりやすくが求められる時代。
答えがすぐに探せる時代。

でも、だから、想像したり目を凝らしその瞬間を目撃し、感じることを忘れないで欲しい。

これからの子供たちが生きていく日常は、理解し難いことだらけ。
思春期の気持ちは言葉にできないものだらけ。

言葉を超えたリアルな「感情」。

それに救われることもあるはずなのです。