秋が深まってきて花が咲いている草本植物が少なくなってきました。そんな中、我が家の庭にはセイヨウタンポポがまだ花を咲かせていました。
セイヨウタンポポ(キク科)
セイヨウタンポポは名前のとおりヨーロッパ原産の多年生草本で北海道から沖縄まで全国にごく普通に見られます。
牧野富太郎が1904年、札幌市に繁殖していることを植物雑誌に報告し、後にセイヨウタンポポと命名したとされています。
我が家の庭の芝生では、駆除しても駆除してもあちこちから伸びだしてきて春から秋まで長期間花を咲かせ続け、11月になっても花をつけていました。
セイヨウタンポポ (11月16日撮影)
セイヨウタンポポは長期間花を咲かせることと、受粉しなくても種子をつくることができる単為生殖(たんいせいしょく)という方法でふえるため分布を広げています。ちなみに、在来種は開花期が春であり、他の株の花粉が雌しべにつかないと種子ができません。
だから、在来種よりもセイヨウタンポポの方が圧倒的に繁殖力が強いため、道端や空き地、庭や花壇、畑の中などどこにでも見かけるようになりました。
セイヨウタンポポに限らず、タンポポの葉は写真のように深い切れ込みがあります。
この切れ込みをライオンの歯に見立てて、タンポポのことを英語でdandelionといいます。
dandeは歯、lionはライオンです。
タンポポの花は小さな花がたくさん集まっています。この小さな1個1個の花を小花といいます。
タンポポの小花は舌のように見えるので舌状花といいます。セイヨウタンポポの花は200個ほどの小花(舌状花)でできているそうです。(私は数えたことがありません。本に書いてありました。)
小花(舌状花)が集まった全体を頭花といいます。
二又に分かれた錨(いかり)のように見えるものは、小花の雌しべです。
花の基部を包んでいる緑色の部分を総苞といい、1個1個は総苞片といいます。
セイヨウタンポポの特徴は総苞片が反り返っていることです。在来種のタンポポは反り返っていません。外来種と在来種のタンポポを見分けるにはここを見ます。
果実には長い柄のある冠毛がついており、風によって運ばれ分布を広げていきます。