山歩きをしますと、ムラサキシキブ、オオムラサキシキブの紫色の美しい実が目立つ季節になりました。
オオムラサキシキブはムラサキシキブの変種ですが、よりボリュームのある紫色の実がひときわ目を引きます。
オオムラサキシキブ(クマツズラ科)
図鑑によれば、オオムラサキシキブはムラサキシキブの変種で、葉が大きくて厚く、長さ10-20cm、幅3-10cm、葉柄が10-20mm、やや光沢があり、花序も大きくて海岸近くに生える、とあります。
オオムラサキシキブは本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄に分布しています。
天草は、全島が図鑑に言う海岸近くになるようで、倉岳のような山地でもオオムラサキシキブが見られます。ムラサキシキブ、オオムラサキシキブとも山地の林縁等ででふつうに見られます。
ムラサキシキブ(クマツズラ科)
ムラサキシキブは高さ3m内外の落葉低木。北海道から沖縄まで全国に分布しています。
オオムラサキシキブと比べると花序が小さく、果実の数も少なくまばらであることがわかります。
ムラサキシキブの葉は薄い洋紙質、長さ6-13cm、幅2.5-6cm、葉柄は2-10mmとオオムラサキシキブの葉より小さくなっています。
花や実がついているときは違いがわかりやすいですが、葉だけのときはなかなか見分けが難しいように思います。
ムラサキシキブの語源は、紫の実が敷きつめられた「紫敷き実」か「紫茂実」のようで、「源氏物語」の作者紫式部とは縁もゆかりもなかったようですが、いつの頃からか誰かが「源氏物語」の作者、紫式部を連想してムラサキシキブになったようです。紫色の実から紫式部ということなのでしょう。