こんばんは





今日はずるずると長引いた『もう誰も愛さない』のブログの最終回です。









最終回は今まで引っ張っていた伏線が全部回収されることもあり、ともかく展開が忙しく変わるので

今回は順を追って書いていこうと思います。





1.元春の脱獄
前回の最後で刑務所から脱獄しましたが、卓也は序盤で玲子に匿われていることを知ります。

その直後、卓也は警察から元春について任意の事情聴取を受けるも、やり過ごし警察を跡にします。



2.美幸の決断
警察を出た卓也を待っていた安代は、彼を自分が家で匿っている美幸に会わせます。

そして、美幸から米倉が王に殺されたこと

米倉が寄付した金が自分がブルースコーポレーションの金をプールしたもので、今度は自分も王に命を狙われていることを白状し

孤児院の買収から手を引くことを告白します。



3.小百合と元春の最初で最後の直接の再会
卓也から美幸が孤児院の買収から手を引いた事と元春が小百合がやはり自分の実の子だと白状した事を聞いた小百合は

元春と初めてで最後となる直接の再会を懇願し、卓也と玲子も立ち会わせて実現する。



4.玲子の強請り
戸川を裏切って、彼が隠し持っていた『黒い霧事件』に関係した人物のブラックマネーの詳細を記した手帳を王に渡した玲子は

さらに元春も同じ手帳を持っていることダシに

王が樫村健三であること、事件に際し戸川の右腕として活躍しながらも彼に疎まれ元春に命じて命を狙われたこと、そんな自分を美幸の父親の裕二に救われ香港に渡り身を隠したことを暴いて

それらの情報を買わせるという形で王を強請ります。



5.戸川の失脚
手帳を武器に王は戸川に宣戦布告した矢先

戸川は病気で倒れそのまま半身不随で意識も混濁した状態となり失脚してしまう。



6.玲子の死
王を強請った玲子は、彼の全ての情報を知っていること、元春の手帳を持っていたことを理由に口封じのために絞殺されバラバラ死体にされます。

しかし玲子の自宅や事務所を探しても手帳が見つからなかったことから

王は手帳が別の人物に渡っていると睨み、匿われている美幸を手下に襲撃させるも未遂に終わります。

一方、元春は玲子が死んだことで樫村の報復を恐れるようになります。



7.美幸の様態の急変
王に身元がばれたことで、東京から去る事を決めた美幸は

最後に小百合と対面し長年に渡る因縁の関係から和解するも、様態が急変し病院に運ばれることに。

さらに子供を産めば母体に危険がおよぶ状態にあることが発覚。

それに輪をかけて、安代のアパートで殺し損なった王の手下が病院でも暗殺に来るが、卓也が間一髪のところで助け、またしても未遂に終わります。(この時に美幸の病状を聞きつけた通も居合わせます)



8.小百合と元春の死
美幸の騒動の一悶着の間に小百合がとうとう病死。

さらに孤児院での葬儀に最後の別れに来た元春を、唐突に現れた王の手下が小百合の棺と祭壇越しに機関銃を豪快ぶっ放して銃殺します。

死に際に元春は卓也に樫村の写った写真として王の写真を見せ、卓也も王が樫村健三だと知ることになります。



9.通の襲撃
元春を消した王は、手下から卓也が自分の息子であることを知ります。

そんな王はしばらく身を隠すために香港へ戻ろうと移動するところを通に襲撃され、王は腹を撃たれて負傷

通も王の手下に腹と背中を刺されます。

その後、決死の思いで孤児院まで辿り着いた通は玲子に託された元春の手帳を卓也に渡し死亡。



10.卓也の決着
通の所持していた銃を持って卓也は美幸に最後の別れに行った後で、ブルースコーポレーションに殴り込みに行きます。

手下たちを片づけ、王を追い詰めると

彼は卓也が元春の元で育った経緯や卓也の本名を教えますが、そこに美幸がやって来て卓也が後ろを向いた時に王が不意討ちで銃を彼に発砲。

しかし途中で弾切れになったため屋上へと逃げる王を負傷した卓也が追いかけ、止めの銃撃で王を殺害し決着を付けます。



11.美幸の出産
全ての決着を付けた卓也は産気づいた美幸を抱え、タクシーを掴まえて美幸を1人で病院まで行かせると、その場で崩れそのまま絶命。

最後には美幸が卓也の子を出産したところでドラマは終わります。






9話から11話まで必ず1人は主要人物が死んでいる状況でしたが

最終回はまさかの6人も死ぬという異常事態で終わります。


それまでメインヒロインだった小百合が後半を迎える前に死ぬのも呆気に取られましたが、その他の人物も実に呆気なく死ぬのでビックリします。


このドラマで印象的なのは、欲をかいた人物がほぼ全員死亡していることでしょうか。

ある意味では皆バチが当たったという風にしか見えないぐらい因果応報な死に方をするので、清々しさすらあります。


それにしても終盤になってからの展開では間違いなく孤児院の人々が最大の受難者といってもいいかも知れません。

元々、土地を手放さなければならない窮地に立たさてはいたものの

第三者の男女の訳の分からんいざこざに巻き込まれて、孤児院の土地売買の面で色々と翻弄されただけでなく

孤児院の子供たちは不必要に土下座もさせられ

最終回では目の前で人が銃殺される瞬間を見せられた挙げ句に、刺されて血だらけの別の男の死ぬ姿まで遭遇させられる。

病死の小百合も含めれば1日で3つもの人の死に遭遇した子供たちが負うトラウマは必至で、卓也たちのおかげでとんだ災難に遭ったといってもいいかも知れません。



これだけ人が死んでいながら、最後に美幸が出産した後で「Love Forever」という文字が出て終わるラストも訳がわかりません。

少なくとも全体を見ても、卓也たちは愛を利用して欺いてばかりだったし

愛を傾けた人物も報われない末路を迎えているのを考えると、決して「Love Forever」なドラマではなかったと思いますが

この素っ頓狂な展開ぶりがこのドラマのシュールさを高めているのかも知れません。









それではストーリー詳細で書き切れなかった人物も含めて最後の各登場人物の詳細です




●沢村卓也
正直、王の話のベースになる終盤ではほぼ蚊帳の外のような存在でしたが

王こと樫村健三の息子だと発覚したことで、彼も無理矢理、王の報復に巻き込まれる形になりました。


彼の行動に関してはストーリー詳細で書いたので、ここでは元春に育てられるようになった経緯について

樫村を殺し損なった元春は、その一件で失意の内に自殺した自分の妹と樫村の残された子供である卓也を見殺しに出来ず

戸川にバレないように名前を変えて育てたという事なんですが

そんなところで情を出すような人が、家族に再審をせがみ(しかもほぼ結果的には介入度にはクロに近いし)

再審費用が出せないと薄情者扱いする自己中心的な人物っていうのもバランスが悪いなと。


しかも卓也はそんな元春を育ての親として感謝するようなことを言っていましたが

今までのドラマの経緯で見ると、ちゃんと育てられたようには見えないのに、どこに感謝する要素があるのかも不可解でした。





●宮本小百合
メインヒロインながら最終回は中盤でストーリーから離脱するという異例事態でしたが

病気に犯されてからの小百合は、美幸を陥れようとするポジションから抜けてしまったし

終盤からメインで描かれる王の策略に於いてはあんまり関係ない人物なので、最終回での措置もやむを得ないかなという印象。


最終回になってようやく美幸と和解しますが、素直にすごい時間かかったなとツッコミを入れてしまいました。




●田代美幸
最終回でもマシンガンで豪快に襲われたり、絞殺されかけたりと随分な目に遭っているのに流産しないのが不思議ですが

一番気になったのは、出産後の美幸の安否でしょうか。


ドラマの伏線だと思いっ切り死亡フラグなんですが、ドラマは美幸の安否はおろか事件の事後処理も描かれないまま終わるので非常に消化不良を起こしています。


後は美幸の父親が樫村を救ったという件があると、美幸の父親も何やら如何わしい事に関わっていたのかなと推測してしまいます。






●牧村通
正直、全体を通してみても要所要所でピンポイントに登場している感じなので行動が一番読めないキャラでしたが

最終回に関しては玲子が殺された後で美幸の入院をどこで聞いたのか不明です。


美幸が襲われないように王に決死の襲撃にでますが、それまでの通の様子を見るとやはり行動に矛盾を感じてしまいます。

それと前回で王に刺された足が何事もなかったようになっていますが、これは脚本上のミスということなのかな?





●町田玲子
今まで散々なにかを企んでいましたが、最終回の前半であっさり殺されしまいます。


卓也に樫村健三のことを聞かれても、シラを切ったところからも、まだ何かを企んではいたようですが

結局それが未消化で終わったのが気になります。


また危険な人物の顧客もいて、危険を察知する能力には長けていそうな玲子が王の口封じの襲撃に簡単に引っかかったのがちょっと違和感がありました。





●王小龍(樫村健三)
戸川と元春との関係性については既に書いたので割愛するとして

卓也と親子対面を果たしたのに、卓也を発砲した真意が不明でした。


彼が日本にやってきた理由は自分を嵌めた人物への復讐だろうし、唯一の肉親である息子が生きていたとなれば少しは躊躇いそうな気もするんですが…。





●戸川啓介
今まで玲子を使って色々と支配しようとしていたものの、王に逆に利用されて失脚されてしまうわけですが、脳梗塞で倒れて下半身不随というオチは唐突でしたね。

このドラマには初稿を基にしたノベライズがあるそうで、そのノベライズでは死亡扱いになっているようです。





●戸川亜紀
最終回も出番は少ないですが、父親が昏睡状態になったことで初めて親子として向き合えたことで卓也と出会えたことを感謝してましたが

卓也せいでレイプされたりしたのに随分寛容だなと思ってしまいました。





●沢村元春
前回の無期懲役で服役しているのに刑務所を脱獄もツッコミどころ満載でしたが

小百合の葬儀での彼の銃殺も、本当に"出入口から侵入する"でもなく王の手下が唐突に現れて、豪快にマシンガンで撃ち殺すのでツッコミどころ満載でした。

正直、元春の死に関しては展開がカオス過ぎます。





●西条安代
最終回で美幸を献身的に支えるポジションになっていますが、とても刑務所で美幸をシゴイたり、強請りをかけた人物と一緒とは思えません。

ノベライズでは出所後、居酒屋を経営していて、産気づいた美幸を受け入れているそうなので、ドラマで描かれなった美幸の出産後も彼女の世話になっているのかなと勝手に推測。











というわけで最終回のブログはちょっと手抜き気味に駆け足となってしまいましたが

このドラマは最初から見ても結構な素っ頓狂な展開のオンパレードなドラマだったなという印象でした。



とりあえず『怒り新党』の三大○○調査会のお題に上がってほしいと切に願うところです。