こんばんは






ちょっとずつ『もう誰も愛さない』のブログを上げていこうということで、今日は第9話です。





前回は"美幸を陥れる計画を実行し始めた"小百合と彼女の策で会社に6億の損害出してしまった美幸が

終盤で子宮頸癌と妊娠という岐路に立たされるという急展開でしたが


今回は卓也があれだけ拒否していた美幸に取り入ってまで企んでいたことが

美幸の会社の役職を任されるまで信頼を作った上で

小百合の策で、美幸が出した損失を埋めるために用意した裏金の5億を、見積書を偽造して横領するということだと明らかにされます。


一方で株価の操作を仕向けたのが小百合だと知った美幸は、今回の卓也の復讐で憎悪を一段と増し、彼の大事にしている小百合を殺し屋を雇って殺そうと暴走するんですが…。





今回は

卓也が今までの仕事を解雇されたりといった、自分を虐げていた美幸を貶めるために、取り入って横領する機会を伺っていたというゲスな本性をとうとう表していて

最初の頃の罪悪感もただ自分を納得させるための方便だと改めて認識させるエピソードでした。


美幸に復讐してから、彼女の元を離れて小百合と再会するシーンは表装的には悪事を働いていた女に復讐をしてから、遂に再会した男女の微笑ましいシーンっぽく描かれてますが

美幸が卓也らを虐げるきっかけを作った諸悪の根源が彼らであること、いよいよ罪悪感を一切感じずに居直った態度を見ると

これはまさに悪人を正当化した問題シーンとなっています。


しかも、美幸の小百合への暗殺という暴走を許したのも、報復で最後の一押しをしてしまった卓也のせいだし

その結果、弥生が身代わりに死んでしまうという、とんでもな悲劇も卓也が元凶となっており

主人公なのにここまでゲスな性格性を貫くのもなかなかスゴイです。


正直、1話からここまで主人公の様子を追って、不幸になれと心から思う事態はなかなか無いです。


やっと小百合と結ばれると思った矢先の小百合のガンの再発も、ここまで極悪ぶりをした後ではバチが当たったという印象を抱いても仕方ないかも。









それでは各登場人物の詳細です。





●沢村卓也
美幸に取り入る行為が、報復であったことが明らかになり、美幸の支社の損失を埋めるための資金だった5億をまんまと横領するという極悪ぶりを見せます。


美幸の卓也への復讐は犯罪めいていて、必ずしも褒められたものではないですが

そこまで仕向けた根源だという自覚すら忘れて、被害者意識全開で報復する卓也はどう見ても酷いやつでした。


さらに美幸の元から去った後は、小百合のコネで再び戸川に取り入り

美幸の支社が裏金を提供してもらった銀行(※恐らく序盤で卓也らが働いていた銀行)の情報を提供する代わりに、美幸への報復にブルースコーポレーションを貶すための援助を申し出る他

横領した金で戸川の妾だった小百合を買い取るなど、強気の行動にでます。


ここまでの経緯を見た後だと

最初に場末で見た10話だか11話での孤児院の子供たちまで土下座させてしまうシーンも、そこまでやらせてしまうまで仕向けた美幸への憎悪にも納得してしまいました。


彼の誤算は、美幸の女としてのあらゆる方面での嫉妬を予測できなかったことでしょうか。

自分に好意を見せていた男性に2回も騙され、しかも今回は故意に会社の金を横領されたという事実と

加害者になぜか報復されるという理不尽が加われば、最後の怒りのベクトル(抑えていた殺意)のスイッチ押してしまうことは容易でしょう。

最後の弥生の悲劇も間違いなく彼が元凶で、終盤に来てここまで急に感情移入が出来ないキャラも珍しいです。






●宮本小百合
前回は美幸をブルースコーポレーションの支社から追放するために、戸川に取り入って美幸の支社に損失が出るよう株を動かすという策略に出たわけですが、その策略は成功しないで終わります。(その詳細は他のキャラで後述)


今回は卓也の報復が中心だったので、前回ほどの行動はありませんでしたが、卓也が美幸の元を去ってから、ようやく再会し

戸川に再び紹介するコネを作ります。


しかし散々悪いことをしたツケが回ったのか、子宮頸癌の再発に加え、卓也の報復の結果、今度は命を狙われるようになってしまいます。

最終的に自分を慕っていた弥生が身代わりに銃弾に倒れて死んでしまったことで助かりますが

ひょっとすると、この辺のことが改心するきっかけとなるのかなと推測されます。


この人も今までの悪びれない様子ぶりを見てきた身としては、ここ数話の悲劇はざまあみろという気持ちが強くなります。


次回以降はガンが再発した現状としては、今までの様な悪い計画はもう起こさない(起こせないというのもありそうですが)とは思いますが、どうなっていくのか気になります。






●田代美幸
今回は自分に取り入って信頼を得ていた卓也に報復に遭い(内容は卓也のところで書いたので割愛)、殺し屋を雇って小百合を殺すという最後の復讐へのスイッチを押してしまいます。


あれだけ自分を拒んでいた卓也が手のひらを返して取り入っている(しかも態度があからさまに怪しい)のを疑わなかったり

いくら好きだった相手とはいえ、元々、自分を騙していた人物に会社の重要なポジションを任せてしまったり

暗殺の電話を自宅なんかで受けたり(その結果弥生が知ってしまう)と

その行動ぶりの迂闊さにはフォローしきれない部分が多々ありますが


元々、美幸は自分がされてきた悲劇(嵌められて横領してしまう、家の土地を騙し取られてしまう、その結果の弟の一家心中で家族が死ぬなど)に巻き込んだ卓也たちへの復讐が生きる上での唯一の糧だった節があり

精神的には復讐行為を行わなければ自分を保てなかったのかも知れません。

そういった意味では、自分のすがっていた復讐の結果で弥生を失ってしまうのは、何とも皮肉で(でも、白昼のあんな近距離での発砲なのに第三者妨害でミスする殺し屋ってなんなんだとは思いますが)

さらに精神的に崩壊し兼ねない気もしてしまいます。


しかし、今回、終盤での弥生の死もそうですが

王の援助も、実は美幸の復讐の手助けではなく、戸川と接近するきっかけを作るために利用していたことが明かされ

結局、自分の境遇を第三者にも利用されて、まんまと騙されるなど、ここまで報われないキャラになるとは思いもしませんでした。


次回以降の鬼畜ぶりは卓也らの行動が招いた結果だと思えば、それほど酷いとも思えないかも知れません。





●米倉俊樹
今回は完全にチョイ役。


小百合にシチューを持っていくという優しい行動に出た結果

そこで小百合に以前のように蔑んで見ろという罵倒をされるも、1話だか2話で言った女を蔑む台詞を吐いて去ります。


しかし、自分も色々と堕ちた人生を経験しているからかも知れませんが

以前のような本当に女を蔑んで言っているというより、哀れんで皮肉で言っているように聞こえました。


次回以降はどう動くのか気になります。





●牧村通
今回も序盤から、美幸に取引していた会社の株を暴落させたのが小百合であること密告する代わりに、1000万を手に入れるというゲスぶりを発揮。


ある意味では、彼も弥生を死に追いやる最初のきっかけを作った張本人かも知れません

後は玲子と談話する場面でしたが、卓也らの計画からまだまだ漁夫の利を得ようとしている節が覗え、玲子共々まだ非道な事をする気配があります。





●町田玲子
今回は大した出番はありませんが、より金に執着した側面を見せています。


まず前半で戸川に、小百合がしようとしている事やブルースコーポレーションの王が偽名を使っている日本人であることを密告したり

通との談話で、卓也が美幸の会社の金を横領したことを知って、群がろう企んでいる様子で

表立って行動せずに密かに様子を伺っているところが恐ろしいです。


10話では卓也にまた歩み寄ろうとすると思うので、どういうずる賢さを見せるのか気になります。






●田代弥生
今回、美幸の変貌ぶりを見て、卓也がいることで美幸も小百合も不幸になると感じ

卓也に家から出ていってほしいと懇願したり、卓也に騙され酒に溺れる美幸を見る羽目になったりと翻弄した挙句

美幸が小百合を殺そうとしていることを知り

阻止しようと小百合の元に駆けつけて身代わりに銃弾に倒れて死んでしまうという、最悪の末路を迎えてしまいます。


家族の死に続いて、この悲劇にまたしても卓也が絡んでいる(美幸の小百合への殺意を焚きつけた意味で)と思うと、何ともやり切れないものがあります。


このドラマは何の否もない田代一家が金目的で近づいた悪党の企みに巻き込まれ、不幸に見舞われる悲劇を描いた話として見た方がいいかもしれません。





●戸川啓介
今回は玲子から、小百合の企んでいることや王の情報を知った上で泳がせて、ブルースコーポレーションを取り込む隙を覗っている様子が描かれ

中盤には卓也に吸収しようとしている銀行の裏金情報を取引にブルースコーポレーションを叩き込むための援助を求められます。


一方で王が彼と接触する機会を覗っている描写が、何か関係があるような伏線が残されました。


10話以降から彼や王の思惑も絡んでいくと思われるので、興味深いです。





●戸川亜紀
今回もチョイ役。


小百合のコネで卓也が戸川に交渉をしているところに出会し

卓也が戸川の提供した小百合のマンションごと買い取って、妾であった小百合を解放するのを見て、小百合に思いを寄せているのを知って傷つくという役どころでした。


卓也のせいでレイプされたり、シャバに出た卓也の面倒を見たりしたのに、自分ではない女性が好きであったという事実を晒されると思うと、彼女も結構気の毒な境遇に置かれているように思います。





●王小龍
今回、美幸の復讐に戸川も絡んでいることを知り、美幸の起こした会社の損失の責任をとわない代わりに美幸に復讐を続行させます。


戸川に近づくのが日本に来た目的であることが判明し、どうも美幸への援助も元々はその辺が理由で利用していた節があるので、次回以降も色々な思惑が明かされていくと思います。





●林洋二
今回は美幸のための暴走は見せませんが、後半で美幸に小百合を殺すための殺し屋を雇うように頼まれる役どころです。


会社の金を横領されたことで卓也を疑うと美幸にビンタされ、美幸の復讐の継続を命じる王に反論したらビンタされと、可哀想な感じになりました。

しかし何かしらすると美幸にビンタされる一連の行為がここまで続くと、もはやギャグにしか見えなかったです。





●水木圭子
今回の中で最もチョイ役。

後半でラブホで美幸に殺し屋を雇うよう電話を受けた(ポケベルで呼び出されてから美幸の自宅にかけるというスタイルが時代を感じさせます)林の傍らにいただけです。









10話は一度見てはいますが、今までの流れを知った上で見ると印象も変わると思うのでその辺は楽しみです。