「なにげなき風景に」 | カンボジア的スローライフ

カンボジア的スローライフ

スローダウンしてみると見えてくるものがある。ありふれた日常のささやかな出来事。人生って、そんなささやかな暮らしの一つ一つが集まったもの。だから、その一つ一つを大切に暮らすことができたらいい。マンゴーがたわわに実る国、カンボジアからの発信。

バンコクの旅も終わりに近づいた頃、スピードの上原多香子さんのご主人が自死により他界されたとのインターネットニュースが。

その夜は、なんだかとても胸が痛んで眠れなかった。


私たちは簡単に生きているようで、本当はそうではない。でも、逆に生きることは難しいようで、案外肩の力を抜けばそうでもない。

ありふれた、なにげない日々の風景のありがたさ。いつ、なにがあっても本当はおかしくない、誰もが。

ただ数行のインターネットニュースを見ただけで、事情はまったくわからないし、ご本人の気持ちは計り知れないけれど、日本は自死が多い国なので、本当に胸が痛い。

故人のご冥福をお祈りするとともに、残されたご遺族の心が少しでも癒されることを願いたい。

人間の心は強いようで弱く、弱いようで強い。体が風邪をひくように、心も弱くなるときが誰にもあるだろう。休むことは、負けることじゃないから、心が弱くなったと感じたら、思い切って休むことも大切だ。

バンコクのなにげない日常が繰り広げられる風景を眺めながら、行き交う人をウォッチングしながら、「生きること」を想った。愛する人たちが、どこでなにをしていても、ただただ心身健やかで幸せであってほしいと願いつつ。


この猫の足のだらり感がいい。これこれ、これだよ、生きるには(笑)。

カンボジアは自死はわりと少ないかもしれない。社会は弱肉強食だけれど、だからといって「弱」を切り捨てないでファジーな社会の中に「悪」をも含めて広く受け入れいていく、良くも悪くも懐の深さがある。カンボジアはなんだか許し許されちゃうところがある。日本は、どんどん切り捨てていく社会でもある。どちらが生きるのが厳しいかというと、私は日本のほうが厳しいと思う。そんな祖国の自死がもう少し減ったらいい。

苦しいときには、足だらり、だらりだらりとだらりんこだよ、猫に学ぶ(笑)。