以前イラクの戦争などで親を亡くした子たちと一緒に過ごす機会があった。

その時期はちょうど夏場であり、夕方になると「ドンっドンっ」と日本では当たり前の、夏の風物詩が打ち上げられた。

しかし子どもたちは、それに対して軽くパニック症状を起こしていた。

そのとき誰かが言った。

「全て花火になってしまえばいいのに。」 

何を言い返すでもなく、空に打ち上がる花火を、みんな思い思いに見つめるのであった。