自分の娘たちにも、いつか起きうる事態、とは思っていました。
時代のせいにしたくはありませんが、登校拒否や引きこもりが珍しくない世の中。
いじめに遭ってしまったりすれば、ウチの愛娘たちだってそうなる可能性はある、
と頭では理解していたつもりでした。
日本に限らず、ハーフの子はいじめの対象になりやすいのは万国共通でしょ?
しかし、いざ現実にそれが自分の子供に起きると、対応に戸惑ってしまいます。
先月後半から突然、愛娘1号が学校に行くのを嫌がり始めました。
着替えさせようとしても泣きわめいてばかりだ、と嫁ちゃん。
理由を訊くと、幼稚園の同級生の男の子に叩かれ(殴られ?)たよう。
所詮、子供同士だし、愛娘1号は周囲の男の子たちに負けないくらいワンパクなので、数日すればケロッと忘れるかと思っていました。
しかし・・・・
夜中も夢にみてしまうようで、寝言でその男の子に対して何か言ったあと、飛び起きたりするんです。
余程トラウマになっているものかと。
嫁ちゃんがとうとう音を上げてしまい、私も幼稚園についていくことに。
でも、結果は同じでした。
幼稚園の入口に到着した瞬間、火がついたように泣き出す愛娘1号。
先生のほうも、友達の顔もまったく見ようとしませんでした。
それでも我が子は、父親に似て?幸運だなぁ~と。
ちょうど今週、私の転職に伴って引っ越しするので環境が変わるのです。
両親が共稼ぎだった私は、幼い頃から祖母が日中は面倒をみてくれていました。
でも外で遊ぶのではなく、専ら家の中で積み木などでひとり遊びする毎日でした。
だから、だと今は思っていますが、幼稚園でも小学校入学後も、休み時間に同級生と外で遊びませんでした。
自分の席にポツンと座ったまま、まったくしゃべらない子供でした。
小学校に入学したときの担任は、すごく怖い女の先生でした。
今でもよく覚えていますが、例えば清掃の時間になるとその先生は、ホウキを片手に仁王立ちして、サボる生徒がいないか睨みをきかせていました。
まるで棍棒を持った鬼のように。
授業中、先生に「次は、◎◎くん、読んでください」とか指名されますよね。
起立して教科書を読もうとしても、私はまったく声が出ませんでした。
読めなかったわけではありません。
テストはいつでも全教科、ほぼ満点でしたから。
ただ、声を出すことがどうしてもできなかったのです。
そんな私に一大転機が訪れたのは、小学2年の夏でした。
両親が自宅を新築したことに伴い、転校することに。
転校先の先生は怒らせたらとっても怖い、今では考えられない体罰教師でしたが、普段は冗談ばかり言っているような男性でした。
クラスメイトに「とても頭のいい子が転校してきましたよ」と紹介してくれたことに、とても驚きました。
それまで先生からは叱られてばかりで、誉められた経験がまったくなかったのですから。
授業でも、テストを採点し終えてトップだった私を名指しで誉めてくれました。
転校生が珍しかったこともあってか、クラスメイトもとても親切でした。
学校の方々を案内してくれる女の子たち。
グラウンドで遊ぼう! と私を連れ出してくれた男の子たち。
おそらく私を迎えるにあたって、先生がクラスメイトに根回ししてくれていたのでしょう。
それまでとは180度、学校生活が劇的に変わったのです。
以降、本来の性分が表に出せるようになり、3年生からは学級委員などを常に任されるようになったのですから、環境の与える影響は本当に大きいです。
生徒総会などの場で、全校生徒の前にイの一番に出て行って発言することが快感だったりしました。
低学年のときは、声も出せなかった私が。
もしあのタイミングで転校していなかったら・・・・
私の性格は相当いびつになっていたかもしれません。
引きこもってしまったかもしれません。
新しい環境に、愛娘が馴染んでくれることを今は切に願っています。