妊娠5週目と判明した、その翌日。

嫁ちゃんが突然、切り出しました。


「ねぇ、パガダ(お寺)に行きたいワ」


普段は信仰心の欠片もみせない嫁ちゃんなのに。


以前こんな会話をしたことが。



「アナタはもう年寄りだから(失礼な!)、

 ウチの親みたいに、毎日パガダへ行くようになるわね (笑 」


「そんなことないよ! で、キミはお寺に行くの?」


「行かないわヨ!

 アナタがお寺に行く間、私は買い物に行くわ」


そんな嫁ちゃんが、どういう風の吹き回し???


「私たちと赤ちゃんの幸せを祈ってもらうのよ。

 だから明日、田舎へ行きましょ!」


「ちょ、ちょっと待って! なんでわざわざ田舎に?

 プノンペンにだってお寺、いっぱいあるじゃん?」


「私は地元のパガダに行きたいの!!!」



コンポントムの実家へ初めて挨拶に行くときに、

「泊まるのは難儀だろうなあ~」 と考えた私。


運転手つきレンタカーの1日貸切(日帰り)料金を

クロマーさんに見積もりしてもらったら、


ビックリの 170$!!


プノンペン市内料金ならもっと安いらしいですが・・・・



嫁ちゃんだけでなく、多くのローカルは

片道2.5$ のタクシーを使います。


しかしタクシーとは名ばかりで、

実態はスシ詰めの 【乗合ワゴン車】 なんです。


しかもエアコンなんて、まず期待できない代物。


なのでその時はシェムリアップ行きの冷房バス(上の画像)に乗り、

途中下車しました。




2度目の行程は、地元民と同じ経験をしてみよう! と

セントラル市場の西にある、タクシー乗り場に。


画像の、並んだワゴン車がその タクシー です。


乗員が満車になるまで発車しないのは、

東南アジア各国では お約束 です。


1列3名分のシートに、5名を詰め込むのですから、

ラッシュの山手線並み。


それでも山手線なら、冷房が効いているだけマシ。


私に割り当てられた最後部は、窓も壊れて開きませんショック!


乗り合わせた子供たち、オバさんたちの好奇の視線が、

「異物」 の私に突き刺さります。


私たちが乗り込んだ時点で、8割方、座席は埋まっていたのに、

結局それから発車までに45分も待つハメに。




プノンペン郊外に出ると、主要国道でさえ、

段差だらけ、穴だらけ、埃だらけ、 のカンボジア。


よくもまぁ、この状況でみんな眠れるもんだなぁ と感心。


だって度重なる段差の衝撃で、

壊れていた私の横の窓が、いつの間にか開いているくらいなのに!



で、先を走るトラックの巻き上げた砂塵が、

その窓から舞い込んできます。


私の白いシャツの背中には、

クッキリと赤茶色の縞模様ができていました。


そんな道程が、片道3時間、ですから

節約のため、とはいえ泣きたくなりました。