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機能性構音障害と吃音を併発している人たちの割合の多さを踏まえながら実験を進めていくうちに「吃音と機能性構音障害は全く同じ障害である」という答えに辿り着いたわけだが、似た様にもうひとつ気になる事があった。


それは吃音や機能性構音障害の当事者にHSPや ADHD、うつ病といった各種精神疾患を抱えている人達が大変多いという事。


ぱっと見、どう考えても偶然とは言い難い程の発症率の多さに見える。



吃音に関しては「脳」の不具合等が唱えられているし、実際問題それらの疾患を併発している吃音者は多い。



どうしてなのか、考えてもサッパリ分からなかったのだが、最近どうもその事は自分と無関係ではない様な気がして来た。


機能性構音障害や吃音の症状が現れ始めたのは今から約11年前なのだが、それより更に遡る事、今から約25年前、私はある日突然謎の倦怠感に襲われた。


今の今まで絶好調だった身体の調子が急に何かのスイッチが入ったかの様に突然全身の倦怠感に包まれたのだ。


その日は仕事の同僚達と店で食事の最中だったのだが、突然の倦怠感に今すぐこの場で横になりたいとさえ思う程の怠さであった。



その日を境に私はいつ襲いくるか分からない謎の倦怠感に恐怖を感じながら生活し現在に至っている。


25年の間に2回ほど悪化し、それぞれ1ヶ月近く殆ど寝たきり状態となってしまった。


1度目の悪化は今から15年前、2度目の悪化はその4年後の今から11年前だったと記憶している。



1度目の時、あまりの怠さに仕事どころか日常生活もままならず、流石にこのままではまずい事になりそうな危機感から、仕方なく重く怠い体を引きずりなんとか病院へと足を運んだ。



ところが検査の結果は「全く異常なし」



それから4年後、またしても同じ様に悪化し

1ヶ月寝たきりに。



前回とは違う病院で診てもらったのだが、

結局また「全く異常なし」との事。



身体のどこも悪いところがないとわかり安心したものの、どこにも悪いところがないなら、逆に謎の倦怠感に襲われても手のうち様がないって事なのか?と不安がよぎった。どのくらいの倦怠感かを例えるなら、恐らくインフルエンザやコロナにかかった時に感じる倦怠感と同等か、もしくはそれをサクッと上回るレベルに匹敵するくらいの怠さだと思う。



帰り際、診て下さったドクターから、 


「貴方は何か熱中出来る趣味を見つけた方がいいと思いますよ。今後も症状が気になるようでしたら、今度は道の向こう側にあるあちらの病院で診てもらった方がいいでしょうね」


と告げられた。




道の向こう側にあるあちらの病院は心療内科であった。




どうやらドクターは、私に「うつ病」の可能性がある事を示唆していたのだと思う。



自身の性格上、もし本当にうつ病の診断が下されたら、余計に気にして更に悪化してしまいそうな予感がしたので、結局私は現在に至るまで心療内科へは行っていないのだが…



吃音者のうつ病発症率はかなり高いものだと思われるが、かく言う私も結局はうつ病を発症してしまったらしい。



発声発話の不具合が起こる原因部分と、うつ病や各種精神疾患を発症する原因部分は、もしかすると全く同じ場所にある「何か」なのかも知れない。



そう考えると、私が今から約11年前に突然機能性構音障害や吃音を発症したのは、起こるべくして起こった必然だったというわけだ。



それらが起こるカウントダウンは25年前から既に始まっていたって事になる。



10年以上セルフ人体実験を繰り返しながら研究を続けてきた結果、機能性構音障害や吃音の起こる仕組みはほぼ同じだという事がわかってきたけれど、それがどの場所で起こっているのか、その「場所の特定」は至難の業。




その「場所」とは、おそらく脳の機能を司っている場所の何処かに違いない。 




そして、その部分は遺伝の影響を受けやすい部分だと私は推測する。




うつ病や機能性構音障害や吃音は、親から子へ遺伝するパターンが決して少なくないはず。



遺伝に影響されやすい部分が原因だと仮定すれば、それらに対しての説明も付く。




脳機能は未だ謎だらけだ。




人間は脳機能を司っている場所の全てを

まだまだ全然把握しきれていない。




吃音や機能性構音障害といった発声発話の不具合の原因を解明する事は、各種精神疾患や脳の謎を解く鍵となる事に間違いはなさそうだ。




次回もそのうちに投稿します。


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