「台湾バナナの郷」
として知られる
高雄の旗山へ行ってきました!
おいしいバナナを
堪能するのはもちろん、
かつての繁栄の時代を
語る美しい老街、
受け継がれる美食。
どこか懐かしい趣を残す旗山は、
何度でも訪れたくなる温かい街です。
こんにちは!
台湾在住ブロガーのCAM(キャム)です!
(自己紹介は こちら から)
高雄の旗山
へ行ってきました!
旗山が大体どのあたりに
位置しているかというと、
高雄の北部、
お隣はすぐに台南、
そして東側は屏東と
ちょうど台南と屏東の間に
入っている高雄なんです。
交通アクセスは
公共交通機関で行く場合、
高雄の新幹線左営駅から
「旗美國道快捷」という
バスに乗ったら約1時間で
到着できるそうです。
旗美國道快捷
高鐵左營站-旗山站 片道70元
さて、今回は
經濟部中小企業處の
「旗幻山城的老派時光」
という旗山エリアの観光促進
をするプロジェクトの一環で
訪れました。
旗山エリアの観光スポットはもちろん、
知っておくとさらに楽しめる、
さらに便利なサービスも
合わせて紹介します!
今回、旗山エリアの旅の
ガイドをしてくださったのは
旗山台青蕉香蕉創意工坊
のオーナー王繼維さん。
旗山台青蕉香蕉創意工坊
高雄市旗山區中山路17號
電話:07 662 6238
11:00~21:00
(土日9:00~)
王さんの家族は
元々バナナ農家ではないのですが、
この旗山で生まれ育ち、
旗山の良さをもっと広めたいと
バナナ農業を始めることを決意。
継ぎ手のいない農場を借りて
旗山の特産、バナナを育てつつ、
地域振興に奮闘する若者です。
同年代の仲間を募り、
若い目線で旗山を盛り上げようと
一生懸命活動しています。
台青蕉ロックンロール
(台青蕉樂團)
というバンドもやっていて
日本のライブにも
出たことがあるんだそう!
まずは王さんのお店で
旗山名産のバナナを使った
バナナジュースをいただきました!
めっちゃおいしいーーーー!!!
他にも王さんのお店では
バナナかき氷や
バナナドリンク、スイーツが
楽しめますよ!
「旗幻山城的老派時光」
プロジェクトはもちろん、
それ以外にも様々なマップや
観光案内を作って旗山観光を
楽しんでもらえるようにしています。
旗山のバスターミナル
などでもらえるので、
旗山に到着したら
ぜひチェックしてみてくださいね!
↑バスターミナルです。
今回は王さん案内の下、
オートバイで旗山を回りました。
私はスタッフさんの
後ろに乗せてもらいました。
王さんたちのグループが
自転車やオートバイレンタルも
行っているそうで、
旗山を訪れる際に
必要な場合は
王さんのお店のFacebook
メッセージにて連絡してみてください。
お店からバイクで15分ほどの
溪洲エリアにある
バナナ農園に向かう途中、
地景橋というサイクルスポット
を訪れました。
地景橋
高雄市旗山區中華路上
(旗山麥當勞對面
旗山のマクドナルドの向かい)
地景橋からは
「旗山」という地名の由来、
旗尾山を綺麗に見ることができます。
日本統治時代の大正時代に
地方制度が改正され、
地名を旗尾山から取って
旗山となったそうです。
日本統治時代には
サトウキビの運用橋として
使用されていたそうですが、
台風によりかつてのものは
破壊されてしまい、
新しくかけなおした
歩行者と自転車専用の橋です。
ここを渡ると
台糖の製糖工場跡施設を
訪れることができたり、
美濃の方に行くことができます。
自転車旅が好きな方は
旗山と美濃を自転車で
巡る旅もよさそう。
南梓仙溪沿いには
ススキが綺麗に
白い穂をつけていました。
夏の気配がまだ残る台湾ですが、
植物は秋の時期を知っているのかな。
さて、バナナ農園へ向かう
道すがらにバナナの出荷を
行っているところに遭遇。
青い服の方がオーナーさん。
濵田岳さん似の台湾男子。
お嫁さん募集中だそうです。
もし旗山のバナナ農園に
嫁ぎたいという方がいたらぜひ!
こちらはバナナを保護するための
専用の香蕉棉被(バナナ布団)
だそうです。
バナナの出荷場も
見せてもらいました。
「旗山は台湾バナナの郷」
と書きましたが、
旗山のバナナの歴史は
遡ると清朝の時代に
始まったとされるそうです。
旗山の温暖な気候、
降水量、土質が
バナナ栽培に適しているんだそう。
大正時代に入る前ごろから
台湾バナナは日本で人気を得て、
旗山で栽培したバナナの
約90%は日本へ送っていたそうです。
当時バナナを高雄港へ
安全に早く送るために
この道もまっすぐに整えられたそう。
かつては
香蕉王國
(バナナ王国)
と呼ばれた旗山。
バナナ農園の地主は
対日本のバナナ輸出で
多額の儲けを作り、
香蕉大王
と呼ばれていたんだとか。
当時はバナナの出荷所は
24時間体制、3交代で
出荷を行っても
まだ足りないほどだったそう。
戦争やバナナの自由貿易化
の煽りを受けて、
台湾バナナ栄光の時代は
幕を閉じていきました。
今は日本で食べられるバナナは
フィリピンやエクアドル産が
ほとんどになってしまいました。
昔は台湾全土に
300カ所ほどあった
バナナの出荷場のうち、
76カ所が旗山にあったそうです。
今、旗山に残る
出荷場は7カ所のみ。
今は週3~4回しか
稼働していないそうです。
それでも現在も
旗山では約60%の世帯が
バナナ農業に携わっているんだそう。
最近、台湾では
バナナが豊作すぎて
値崩れしていることもあり、
良い時だと1斤(約600g)100元
くらいの価格ですが、
今は1斤20元くらいまで
値下がりしてしまっているんだとか。
悔しい。
私ももっとバナナ食べよう。
旗山のバナナの旬は春。
ただ今は技術も発達し、
1年を通じてバナナの収穫が
できるようになっているそうです。
日本ではなかなか
見ることができない
木になっているバナナ。
下はバナナの花です。
こうやって布や紙をかぶせて
強い太陽光を調節したり、
害虫や鳥対策をしています。
丁寧に育てられる旗山のバナナ。
青い状態で収穫し、
輸出する間に
ガスで調整しつつ
段々と黄色くなって、
食べごろになって店頭に
並ぶんですよ。
バナナの木の寿命は約1年。
1回30~40㎏ほどの
バナナを生み出して、
枯れてしまうそうです。
そして、竹のように
バナナの木の子供ができるので、
次は子供の木を残して
そちらを栽培するんだそう。
台湾バナナと一口に言っても
色々な種類があります。
旗山のバナナは
北蕉と呼ばれる品種が一番多いです。
地元の人は舊北蕉と呼んでいます。
というのは新北蕉という
種類が別にあるから。
他にも台湾バナナ界の
ルイヴィトンと呼ばれる
「烏龍蕉」という
比較的新しい高級種が
日本などの外国へ出荷されるそう。
ちなみに前にも書きましたが、
私は台湾に来て、
しばらくしてからやっと
バナナと芭蕉が違うものだと
知りました。
違うものですが、
似ている植物なので、
同じ土地で育てている農場が
多いんだそうです。
かつてバナナで
栄えた時代の名残、
旗山のバナナ農園周辺には
日本統治時代に建てられた
歴史ある建築物がたくさん
残されています。
繁栄の時代には
働き手がたくさんいたため
娯楽施設も必要でした。
映画館だった
溪州大洲戲院の跡。
貴重な建築なので、
文化財に登録して
文創スポットにしたいと
地元の人は思っているのです。
そしてもう1つ
この辺りに受け継がれる
繁栄の時代の文化
「酒家菜」
日本統治時代に
バナナ大王たちが
豪遊するためだったり、
日本から来たバナナ視察団
をもてなしたりするために、
このあたりには
高級な台湾料理店が
たくさんあったそうです。
おいしくて豪華な
台湾料理の文化が
今でも受け継がれ、
旗山は隠れた
グルメスポットでもあるのです。
地元の人がおすすめする
おいしい台湾料理のお店に
行ってみました。
東南飲食部
高雄市旗山溪洲中洲路370號
電話:07 666 1991
※14~16時は昼休み
こちらも元々はお客さんをもてなす
宴会場としてスタートしたお店だそう。
入り口は一般の民家みたいで
見過ごしてしまいそうですが、
こんなにおいしそうな料理が
楽しめる知る人ぞ知る名店。
溪州大洲戲院の跡
のすぐ隣なので
目印にしてください。
特におすすめは
メニューにはのっていない
蛋刺 250元
卵を油でスポンジのように
揚げたものに
とろりとした甘めの餡を
かけるお料理。
3~4人でシェアできる量です。
めっちゃおいしい!!
これとご飯で無限ループ
しちゃいそうなおいしさ!!
メニューには書いてないので
ご注意を!!
もう1つおすすめの
旗山グルメ(ドリンク)は、
中正路と義德街の交差点
のところにある
おばあちゃんが営む
青草茶のお店。
かわいいおばあちゃんが
手作りの青草茶。
暑い日のほてり取りにもぴったり!
日本統治時代には
バナナの輸出業に
携わる日本人も多く
旗山に住んでいました。
その当時から残された
日本建築も多く保存されています。
旗山武德殿
高雄市旗山區華中街和中正路口
9:00~18:00
※月曜休館
こちらの武徳殿は
日本統治時代に建てられた武道館
だったのですが、火事で焼失。
今は復元されたものです。
中はイベントスペースになっていて
地元の作家さんの展示などが
行われています。
ここで案内をしている先生が
旗山の歴史建築の
紙模型を作っているそうで
購入することもできます。
太平橋
高雄市旗山區鼓山里中正路一號
(鼓山公園内)
日本統治時代の1908年、
鼓山公園の中に
浄土宗の太平寺を作り、
お寺へと続く階段の途中に
太平橋を作りました。
「太平」という文字が
デザインされています。
今は太平寺はなくなり、
このようになっています。
旗山で日本人が亡くなると
お寺で供養した後に、
太平寺を出発し、
太平橋を通って、
旗山駅に行き、
そこから日本へ送られたそうです。
最後は太平に安らかに
という思いを込めていたのだとか。
旗山神社遺址
こちらも日本統治時代に
建てられたは旗山神社の跡。
1933年に建てられた神社でしたが、
第二次世界大戦後に破壊されました。
狛犬と灯篭は
当時のものが残っているそうです。
参道を上がると
当時神社があった場所に
このようなイメージ図が描かれています。
神社は結婚式や
節句などの場として
利用されていたそうです。
神社跡をさらに上がると孔子廟。
孔子廟の前からは
旗山を一望できます。
日本統治時代に選ばれた
「台湾八景十二勝」の
1カ所に選ばれた風景だそう。
↑見づらいですが、
当時の写真と今の様子。
ハネムーンや
慰安旅行地として
人気があったそうです。
旗山のメインストリート、
旗山老街に戻ってきました。
旗山火車站
高雄市旗山區中山路1號
電話:07-6621228
平日:10:00–18:00(火曜休館)
週末:10:00–19:00
入場料 30元
(現在は平日無料)
旗山火車站は
大正4年に完成した鉄道駅。
現在はこの路線は廃線になって、
観光用の施設です。
日本へ建築留学した台湾人学生が
帰国後設計したそうです。
当時日本で流行の洋館建築で、
ヴィクトリア様式、ゴシック様式、
和風建築を融合させたスタイル。
中も昔の切符の展示などがあり、
奥には製糖工場で使用された
機関車が置いてあります。
駅の向かいにある
こちらのお店も
石の柱が残る
貴重な歴史建築だそうです。
旗山天后宮
高雄市旗山區永福街23巷16號
電話:07-6612037
高雄市の市定古蹟
になっている媽祖廟です。
旗山の人たちの信仰の中心です。
神話に基づく動物を
たくさん取り入れた装飾が特徴です。
おみくじの他に
体の悪いところを占う
薬籤というのがあり、
ここで引いた藥籤を
近所の中薬行に持って行くと
薬を作ってくれるというものらしいです。
こちらは賑やかな
旗山の老街。
かつてバナナ大王として
バナナで一儲けした人が
多かったという話を書きましたが、
そういったバナナ大王たちが
日本から設計しを呼び寄せて
豪華に作った建物が
並んでいるので、
台湾でも有数の美しい老街
として知られています。
ここで最初に紹介した
「旗幻山城的老派時光」
のパンフレットのQRコードを
読み取って、
写真を撮影すると
こんなかわいい
デザインが付くようになっています。
セルフィーすると
口の部分にバナナが
来るようにできているの!
おもしろい~!
ぜひお試しあれ!
老街に残るお店にお邪魔しました。
布問屋さん。
迪化街の建物同様、
奥に長ーい設計。
京町屋に似ているのかな。
そして旗山に来たら、
バナナを使ったお土産もGETせねば!
旗山で人気なのは
高雄市旗山區中山路60-3號
電話:07-6621911
というお店です。
Line Payなども使える
観光客にやさしいお店。
名物のバナナ蛋捲は
旗山マストバイのお菓子です。
エッグロールと言う
卵たっぷりのクッキーなのですが、
バナナがたっぷり練りこんであって、
ちょっとネバーッとした食感なのが
ここの特別なエッグロール!
バナナー!!って感じです。
(伝わらん…)
あと乖乖という
台湾のキャラメルコーン
みたいなお菓子があるのですが、
旗山のバナナ味乖乖も
売っています!
他にも乾燥させたバナナ。
街中でこうやって干しバナナ
作っている光景も旗山名物。
干すと芳醇な味わいが加わって
レーズンみたいな味になります。
あと王さんのお店
「台青蕉」の人気商品、
香蕉蛋糕 170元
バナナ果肉たっぷりの
手作りケーキ。
防腐剤などは無添加、
パックなどもされておらず、
箱に↑のまま入っているので
とにかく早く食べきった方がいいです。
甘さ控えめで
バナナのおいしさをギュギュっと
詰め込んだヘルシーなケーキ。
あと旗山駅(観光駅)で買える
バナナパイナップルケーキ。
かわいいバナナ型の
お菓子です。
バナナとパイナップルを
ミックスさせたという餡もおいしそう!
箱のデザインもいいですね!
さてさて、
ずらーりと紹介した
旗山の旅!!
旅の間思ったのは、
旗山にはなんだか心惹かれる
懐かしさが溢れていました。
あと旗山の人たちの温かさ、
なんだかギュッと
心つかまれちゃう感じ。
のんびりした素敵な街。
懐っこい笑顔。
来て良かった、
また行きたい!
って思える街になること
まちがいなし!!!
次の台湾旅行では
ぜひ旗山を訪れてみましょう!!