まだまだ続くよ、特に素敵なちな様…


「春の雪」洞院宮治典:

ちな様の心の師みりおちゃんとちな様が、花組に組替えする前の月組時代の名作です。

10年以上も前の作品なんですね。


ちな様が演じる凛々しく品のある皇族の宮様は、本当に素敵でうっとり♥


以前、スカステでちな様が、好きな台詞と語っていたのがこの治典の


「私は決してあなたを離せはしない。けれども私はあなたの望むものを与えられないかもしれない。」


皇族の跡取りとして、父親の言う通りに生きてきたが、初めて自分の意志で手に入れたいと思った女性聡子に気持ちを伝えている台詞です。


聡子が、自分ではない誰かに惹かれているのを感じ取りなが らも、激しく自分の想いを伝える治典。

いつもは冷静な宮様が人間らしさを見せるところが、ちな様はお気に入りだったようです。


素敵な台詞ですよね…


「あなたを離しはしない

ではなく

「あなたを離せはしない」


「離しはしない」 だと自分の気持ちを強引に聡子に押し付けているだけの感じがしますが、


「離せはしない」 は、あなたの気持ちはなんとなく気づいている。

けれど、私はあなたにこんなに惹かれてしまい、自分の気持ちを抑えることができなくて苦しくて切ないんだ、どうすれば分かってくれる?

という治典の苦しい気持ちが感じられます。


たった一文字の違いですが、強引にはできない宮様の育ちの良さが感じられますね。

脚本演出の生田大和さん、さすがです。


聡子は、みりおちゃん演じる清顕を好きだったわけですが、こんなに素敵な宮様から、こんな想いを伝えられたら、普通の女性は惚れてまうやろー


正直、清顕よりも治典を選んだほうが聡子も幸せになれただろうにと思ってしまいましたし…


でも、みりおちゃんも、わがままで子供っぽい、名家のボンボンを見事に演じてました。

みりおちゃん、こういう苦悩する役が実にお上手です。

みりおちゃんの代表作「ポーの一族」のエドガーも苦悩する少年でしたね。


「春の雪」芝居の月組にふさわしい作品だと思います。