ワイワイガヤガヤ…
『オギャー』
ガラガラガラーーーー。
『少々お待ち下さい』
『ママー!』
ピンポンパンポーン…
『160番の、カードをお持ちのお客様は、』
『ちゅーしゃイヤだよ、ママー!』
ーーーパタパタパタパタ
「龍田さーん。龍田蒔守ちゃーん。こちらの待合室にお入り下さ~い。」
スクッ
「…はーい。」
【番外編:僕のパステル】
柔らかいパステルカラーを基調とした空間には、小さい子が好むような柄のカレンダーや何処かから切り取ったキャラクター達がペタペタと無造作に貼り付けられていた。
いかにも、幼稚園、保育園を彷彿とさせるその空間には、それとは似合わない新鮮な消毒液の香りが漂い、ここが前述の様な場所でない事を容易に認識させる。
現代風のスライド式のドアを通り過ぎ、一番奥の扉の前までくると蒔守は上着を脱いだ。
パタパタパターー
目の前を小さな影が通り過ぎる。
上着をテキトーに折りたたみ、膝上に乗せれば、視界の端で影が止まっているのがわかった。
視線のほうへゆっくり顔を上げれば、子供特有のサラサラした髪を揺らした女の子がこちらを見ていた。頬はリンゴのように赤く染まり、その汗ばんだおでこには冷えピタが貼ってあった。腕まくりにより晒された小さな腕には注射をした後貼られるパットが見た目より大きく見える。
ジッと見つめる視線は真っ直ぐで、蒔守は何も言わず、にこりと笑顔を向けた。
火照った体には痒いのだろう。女の子はパットを2、3回ポリポリと掻いたあと、不思議そうな顔をしながらすぐ向こうで座っている母親の元へ元気に走って行った。
ピンポンパンポーン
『龍田さん、龍田蒔守ちゃん。診察室2番へお入り下さい。』
頭上からアナウンスの電子音と共に、聞き慣れた声が聞こえてきた。
止めて置いたサイドブレーキを外せば真っ直ぐな廊下に良く響き、ハンドリムを掴みつつ、慣れた手つきで目の前のドアにも手をかけ開けた。
「先生…この年になって『ちゃん』ってどうなんですか。」
「あ、ごめんね、つい癖で。笑」
目の前に座る白衣を着たおじさんにそう言えば、反省の色もなくにこやかに返され、蒔守は頬を膨らました。
この前も先生に言ったのにー
ぶつぶつ文句を言いながら診察室へと
入りきった蒔守の頬は、だってまだ子供じゃないかーという先生のキラーパスによって更に膨れる事になる。
「ママー!」
「あら、走っちゃだめよ、折角元気になったのに。もうっ、この子ったら。」
「ママ、ママ、わたしもおにぃちゃんのあれ、のりたいー!」
「おにいちゃん?ん?どこよ、どこにもいないわよ?」
「??あれぇ?」
「まだ熱あるのかしらねぇ?プリン買って帰ろうとしたんだk「ぷりん!!!ぷりんたべたい!!」
「じゃあ牛乳プリンにしましょうか!」
「わーーーい!ぎゅーにゅー!ぎゅーにゅー!」
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ある日の蒔守の一日です。というか検診日ですね。本編も描きたいのですが、自分の書き方が悪いのか、まとまった時間がないとなかなか書き進められず…(T ^ T)ズルズルときてしまいました。。