【阪神JF】

1着アスコリピチェーノと2着ステレンボッシュが3着コラソンビートを0.2秒、4着サフィラを0.7秒離しており、少なくとも1、2着が4着以下には決定的な差を付けたレースと言って良いでしょう。

タイムもレコードに0.1秒差。それでいて1、2着馬は上がりも33秒台と、特におかしな事はなかった…というか、文句の付けようのないレースです。


そして1、2着が桜花賞直行なので、3着以下の年明け成績から今年の構図を探って行きます。


3着以下で年明けのレースで好走歴があるのが…

3着コラソンビート(Fレビュー2着)

7着スウィープフィート(エルフィンS2着、チューリップ賞1着)

10着キャットファイト(フェアリーS6着、アネモネS1着)

12着ナナオ(マーガレットS1着)

18着ミライテーラー(1勝クラス2着、1着)

年明けトライアルで大敗している馬が大半なので、ひとまず4着以下のレベルが高いとまでは言いません。


この中で物差しになりそうなのはやはりコラソンビートでしょう。


【Fレビュー】

2着コラソンビート

ここまで【3-1-2-0】と6戦着外無し。オープンと重賞で【2-1-1-0】なので物差しとしての信頼度は極めて高い。

Fレビューは、逃げたエトヴプレを捉え切れず2着。3着には0.2秒差付けており1400としては完勝。

勝ったエトヴプレは6戦して【3-2-0-1】1200しか使ってなかったので少し侮っていた節はある。唯一の着外も0.1秒差4着と、力は出し切るタイプ。2着2回も新馬-未勝利で、見事な上昇曲線を描いている。

力を出し切る同士のワンツーなので、この成績は素直に受け入れて良いでしょう。


勝った京王杯2歳Sは、2着ロジリオン(クロッカスS1着、ファルコンS5着)3着オーキッドロマンス(クロッカスS2着、ファルコンS2着)と、年明け1400戦で上位をキープ。地力の強い裏付けとなっている。


コラソンビートが世代トップクラスの力を有している事は、疑いようがないでしょう。


【チューリップ賞】

1着スフィープフィート

ここまで【2-2-1-1】唯一の着外が出遅れてレースに参加出来なかった阪神JF0.9秒差7着。力は出し切るタイプで、物差しとしては信用に足る。

チューリップ賞では2着が逃げ粘る展開を、大外から他馬が止まって見える剛脚。スケール感はあった。


2着セキトバイーストは【1-4-0-1】と勝ちきれないが自身の力は出し切るタイプ。紅梅S2着から。同レース1着のワイドラトゥールが本レースで0.9秒差13着なので、距離適性もあるのだろう。本馬も唯一の着外が東京1600の赤松賞(ステレンボッシュの0.4秒差5着)で、対戦比較上は引っ掛かりがある。


3着ハワイアンティアレは15番人気だったが、新馬戦で上がり33.8の脚を使っており、次走先行して即勝ち上がり→今回末脚に賭けて3着権利取得。末脚と素質にはそれなりの確信があったと思われる。

それでもメンバー的には強調出来ない。


朝日杯FS3着のタガノエルピーダが4着。大外枠が響いた形か。

14着ショウナンマヌエラ(アルテミスS5着、新潟2歳S2着)は休み明けマイナス体重で、力を発揮出来ていない。

ただ、10着スティールブルー(アルテミスS3着、フェアリーS4着)の敗因が良くわからない。

この3頭を破っている点だけを取れば、完全圏外とは言えないだろう。


エルフィンSは馬場の内外の差でライトバック(アルテミスS4着)にクビ差敗れた形。3着は中山の未勝利勝ちのエリカエスティーム。

このレースまで永島騎手が乗っており、次走武豊騎手でチューリップ賞完勝。

このレースまでは素質を活かし切れてなかった可能性が高い。白菊賞上位がその後全く通用してない点を考慮しても、ここもメンバー構成は低調という見立て。


同コースの【アネモネS】と【フェアリーS】合わせて評価します。


まず、この2レースで注目すべきはフェアリーS2着のマスクオールウィンではないでしょうか?

1着イフェイオンが100点のレース。3着ラヴスコールが内で脚を溜めた好騎乗に対し、同馬は大外を捲って差して来ました。ゴール前も詰めており1600も問題無さそうです。

コラソンビートとは新馬戦0.2秒差、ダリア賞0.3秒差。オーキッドロマンスとはカンナSクビ差と、重賞級の力があるのは間違いありません。

4着スティールブルー、6着キャットファイトも特に不利もなく力は発揮したと言えるレース。

そのキャットファイトが次走アネモネSを完勝。

以下アネモネSの主な出走馬

3着メイショウヨゾラ(フェアリーS10着)

4着サスセスカラー(クイーンS4着)

5着ラヴスコール(フェアリーS3着)

6着エリカエスティーム(エルフィンS3着)

メンバーレベル的にはフェアリーSどっこい。敗者復活戦候うのメンバー構成。

2着は前走未勝利勝ちのテウメッサ。しかも内枠2頭で決まったレースと、フェアリーSとの比較では、アネモネSの方の分が悪いです。


この2レース自体本番では例年厳しいのが現実ですが…唯我独尊のレースをしたマスクオールウィンだけは、対戦比較から上位に割って入って来る可能性を残している。という評価です。


【クイーンS】

サフィラがソフト仕上げにも関わらず-10kg。直線馬群に沈んで勝馬から1.0秒差9着。タイム的にもペース的にも問題なく走れるはずの馬なので、力を発揮出来なかったレースと見るのが妥当でしょう。

1、2、3着馬と素質がありそうなのは事実ですが…

1着クイーズウォーク(阪神1800未勝利勝ち。同レースから1頭小倉2000で勝ち上がり)

2着アルセナール(東京1600新馬勝ち。同レースからの勝ち上がり無し)

3着ルージュスエルテ(1400未勝利→1勝クラス連勝。1勝クラスのレースは2着馬含めた5/9が現在も未勝利馬)

例年に比べてかなり怪しい戦績で、対戦比較からはとても押せないです。

元々メンバー構成的にサフィラに勝って下さい候うのレースだったので、冒頭のようなレースと判断しました。万全ならサフィラが1~3馬身は前にいた公算が高かったと見ます。

妙に良いタイムの出ちゃった1勝クラス(キャットファイトのアスター賞のような)の評価で良いのではないでしょうか。この組を主力視するのは危険な印象です。


【結論】

年明けの勢力図からは直行組+コラソンビートの再戦が一番現実的かと思います。その座を誰かが取って代われるかどうか?

要するに直行組2頭+残り一席を争うレースになるという見立てです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ただ、今年は秋のマイル重賞から、強いとされる直行組が2頭います。


【チェルヴィニア】

アルテミスSは1頭だけ格が違うという内容。

このレースから以降馬券内あるのが…

4着ライトバック(エルフィンS1着)

6着ラヴスコール(フェアリーS3着)

以上2頭のみ。

メンバー的にもタイム的にも阪神JFから、二枚は落ちなくても一枚半は落ちるでしょう。

ただしチェルヴィニアは残り一席争いになら十分参加可能な走りは見せていると思います。


【ボンドガール】

サウジアラビアRC2着。そもそも2着なんです。勝ったゴンバデカーブースには差を付けられています。この馬がホープフルS取消してなければ、もう少し評価がしやすかったです。


3着シュトラウスは東スポ杯2歳S勝馬ですが、ここは明確にレベルは高くなかった。同馬も以降朝日杯FS10着、ファルコンS9着と完全に失速。

4着レーヴジーニアルは次走自己条件で0.6秒差4着に敗れている。

5着以下は離しており、評価対象はここまでとします。


新馬戦でチェルヴィニア、コラソンビートら強いメンバーに勝っているが、稍重馬場で最初の3Fが37.1の超スローの前残り。かなり怪しいレース。幻想の可能性が濃厚。


最後に、ここまで全く名前が出てこないファンタジーSはレース自体も波乱。上位馬はその後のレースで惨敗続き。厳しいと言わざるを得ない状況です。


以上のクラシック戦線振り返りを元にした桜花賞の予想を次のブログで。

ここまでで買いたい馬はほぼ決まってるようなものですが。。。