10年程前から天日塩が健康に善いと書いてきましたが、その真の理由が分かりだしたのはここ1年半くらいのことです。
塩は体内において、血液と細胞液の間で、栄養分を運び、老廃物を回収する仕組みであるカリウム-ナトリウム・ポンプを継続的に稼働させるために必要です。体内の塩分濃度は常に0.9%に維持されています。
従って、塩分には単なるNaClだけでなく、カリウムやその他ミネラルを微量含んだ塩を摂る必要があります。NaClの適正含有量は95%~97%です。この数値が低すぎてもよくないようです。
それと、岩塩のように長い年月をかけて風化した塩は、味は良かったとしても体内に入った際には溶けにくく、部分的にカスが残りやすく体液を構成するには不十分な点があります。
従って、岩塩よりも天日塩を代表とする海塩が健康により善いのです。
それでは、天日塩以外の海塩は健康に善いのでしょうか?
答は?です。
海塩であっても、「非加熱長期熟成」であることが、善い御塩の必須条件になると考えています。
非加熱とは、特に日本で盛んな煮沸等による高熱での加熱結晶化を使わないことです。
逆の言い方をすれば、太陽の光だけを利用して塩を結晶化させることが重要なのです。熟成には塩田を使った天日塩である必要があります。
何故煮沸はダメなのかと言いますと、煮沸によって「非加熱長期熟成」の後半部分である「長期熟成」が出来なくなるからです。
ここで言う熟成とは、3、4カ月かけて結晶化した天日塩の粗塩を蔵に寝かせて、残ったにがり成分を自然に落としていくことです。
この熟成期間が長ければ長い程、塩分の苦みが薄れ高級な塩となります。
韓国では長期熟成した塩=高級塩というのが常識で、1年以上蔵での寝かした物を長期熟成として年数を表示して販売しています。もちろんウィスキーと同じで熟成期間が長い物程価格が高くなっています。
オーストラリアやメキシコは、世界有数の天日塩の産地ですが、韓国のように長期熟成を行っていません。韓国の長期熟成天日塩より格段に質が落ちます。
それどころか、オーストラリアやメキシコで生産された天日塩を日本に輸入して、わざわざ平釜方式で煮沸して販売している業者まであります。このような業者は熟成の意味を理解していないのでしょう。煮沸するとせっかくの善い御塩まで台無しになってしまうのです。
従って、日本の自然塩には、基本的に長期熟成を行っている塩はありません。
ほとんどが煮沸して塩を結晶化させているため、熟成出来ないのです。
何故、煮沸したら熟成出来なくなるのしょうか?
それは、塩の熟成を促す微生物が、煮沸することで死んでしまうからです。
食材にはそれぞれを好む菌がいて、自然に発酵することがよくあります。大豆につく納豆菌とか、日本酒の麹菌とかが代表ですね。
発酵とは異なりますが、塩にも塩の結晶を好む菌が存在するのです。これが好塩菌(こうえんきん)です。
好塩菌は、比較的最近発見された菌のようで、塩の熟成に貢献しているようなのです。好塩菌は、天日塩の塩田等で発見されています。
好塩菌は、天日塩の塩田等、塩分濃度が高い場所に存在しているのですが、高熱で煮沸されると当然死滅してしまいます。
従って、日本の煮沸して作られた海塩は、蔵で熟成しようとしても熟成にならないのです。
ちなみに、煮沸して塩の結晶化を行うと、硫酸カルシウム(石膏)が結晶化するので、硫酸カルシウムを多く含んだ塩ができやすくなります。硫酸カルシウムは、解熱剤として使用されるくらい体温を下げる効果がありますから、硫酸カルシウムを含む塩を摂り続けていると体温低下を招き、不健康になりやくなります。
いずれにしても非加熱長期熟成天日塩こそが、自然の理にかなった御塩なのです。生きている御塩とも言えます。
中でも世界五大干潟で作られた韓国新安(シアン)産の天日塩が世界的に最も質が高いと言えると考えています。
韓国産の非加熱長期熟成天日塩をネットで販売しているのは次のサイトしかありません。
最近は韓国産天日塩を名乗っている偽物も販売されていますので、ご注意ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。