舎監のしごと | 北加発:アメリカ合州国、教育、人々、その他、なんでも

舎監のしごと

息子は、某LACの舎監の仕事をしています。LACでは、在学中には24時間、学生の面倒を大学が見るという約束ですから、大学側も学生の管理に力を尽くしているわけですね。数百名の学生の寮生活の責任者になった息子は、学生のResidential Adviserを率いて、まずは安全な生活環境を維持することを日夜心がけているわけです。

毎週の月曜日には、定例のMonday Reviewが舎監たち、Director of Residential Life, Associate Director of Residential Life, Public Safety Officer(逮捕権のある警察官)などがあつまっておこなわれ、これまでの経緯から目を離してはいけない学生の進展状況、先週学内で起きた事件のその処理などについての会議がもたれるそうです。このような情報を全員が分かち合う理由は、出席者が全員が24時間体制で勤務しているわけではなく、On Call体制で、数週間に一度回ってくる24時間On Callの際に遅滞なく問題を処理するためです。

息子の管轄の住居でも、ご法度の蝋燭を室内で使った学生や、未成年飲酒、マリワナを吸っていた新入生、躁鬱の学生が薬を飲み忘れて常軌を逸したり、拒食症の学生の手当てなど、この数週間のあいだだけで、結構忙しい思いをしていたようです。犯則があれば、それに罰金を科すのも息子の仕事です。罰金ですまないような事件の場合には、Above Payscaleということで、彼の上司たちが判断していきます。

もうひとつの大きな仕事は、母親との対応だそうです。母親が娘のルームメートの問題などを心配して息子に電話で苦情を言ってくるケースが結構あるようですが、その要求の解決が可能なものと解決が非現実的な要求もあり、これには息子も頭を悩ましているようです。これまでの経験では、父親がこのようが要求をしてくるのは皆無、また母親が息子に関連して要求してくることもないというのは、理由が考えてみればお分かりでしょうが、面白い現象だと思います。

最近、彼は学内の学生が住む家でのパーティを停止、解散させたそうです。某LACでは住居でのパーティは住民プラス5名までと決められているのですが、このときには数十名の学生が家の中と外にいたそうです。息子は職員のなかでも新米なので、まだ顔を管轄の寮外の学生に覚えられているわけではなく、それでなくても童顔ですから、学生に混じると見分けがつきません。息子はドアをノックして、参加していた学生に中にいれてもらい、学生に混じって様子をみていたら、息子と顔なじみの住民の学生が参加者に混じっている息子の顔をみつけたとたん、架けていた音楽を止めて。「パーティは終わり、さあ皆帰って!!」閉会を宣言したそうです。息子の隣に立っていた学生が、友達に「舎監から停止命令がきたようだね」とささやいたことを聞いた息子は、彼に「僕が舎監だよ」と言ったとか、、、

このほかにも、腹痛などの比較的軽い症状で病院に搬送された学生の訪問などは、職務リストにはないものの、Pomona時代のことを思い出して自主的に息子はしているようです。親代わりとなって、入院した学生を訪問できる病院が認定した身分証を息子はもっているわけです。息子と同時に就職したほかの舎監(厳密には複合職のほかの分野では違いがあり)と話をしたところ、コロラド大学(UC)出身の彼には、LACというところは学生を甘やかしすぎるという印象をもっているようで、息子がl、自分が救急車でERに運ばれたときに、PomonaのDeanがやってきて退院のときに付き添ってくれたことなどを聞いても、信じがたいと感じていたそうです。

最近の息子との会話では、生活のなかに職業と自分の生活との区切りがない生活だけれども、実際にしていることは、大学時代にしていたことの延長のようなもので、これでお金がもらえるのは余禄のような感じがすると言っていました。また、安月給ですが、仕事に追われて外出する時間もなく、3食住居付ですから銀行に振込みの給料は手付かずのことも多く、結構貯金が忘れていてもたまっている様子です。

先週は初めてのOn Callだったそうですが、出動回数 9回、これは平均の倍だったそうです。

今年は仕事上で学ぶことも多く、まごつくこともしばしのようですが、経験のある先達に助けられながら楽しくやっているようです。この某LACでは、Residential Lifeの職員の総入れ替えが去年度からあり、それまでの大卒の舎監は1名の除き解雇、新規に修士を雇うという体制となっています。最後に残った大卒の舎監も今期が最後で、彼もほかの修士に取って代わられることになるそうです。ひょっとすると、来年には、息子が求職者の初期審査をすることになるかもしれません。