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ちょっといい話

あの湖の釣り仲間には、名前の前に修飾語のつく男たちが少なからずいます。そのうちの一人はScrappy Bobとよばれる、90歳に手が届きそうだけれども気だけが若い老人、もう一人はCrazy Joeと呼ばれる若者です。これらの形容詞は、大変な誇張があるので、二人とも、世間に出せば十分に通用する人たちです。Scrappyのほうは、第二次世界大戦の帰還兵で小柄にもかかわらず、減らず口と冗談が得意なので、このようなニックネームとなっていて、Crazyのほうは、本当に時々なのですが、思いつめたように相手の目をみつめて自分の目をそらさずに何10分も話をすることがあるので、このような名前がついてしまっています。べつにあだ名が示すような不可解な、行動をするわけでもありません。ふたりとも私のお友達です。

さて、ある日Scrappyがあの湖に早朝やってきたら、車のタイヤのひとつがパンクしてしまっていて、駐車場にはいってからは、車のホイールでごろごろと走っていき、駐車しましたが、彼はもう90歳になろうかという老人、体の柔軟性も去り、筋力もさりつつあるので、タイヤをはずすことに難儀をしていたそうです。そこに、たまたま自転車で釣り場に向かう途中でいきあった、Crazyは、Scrappyの姿をみるや、車の隣に自転車をとめて「自分がやるから、みてて」とScrappy に言って、あっという間にパンクしたタイヤをはずし、スペアをつけくれたそうです。Crazy Joeはタイル貼りの職人で、まだ30歳まえ、元気な盛りですから、このような肉体労働は朝飯前ですね。おそらく、普通であれば、運転者が、AAA(JARFのようなもの)を呼んでタイヤの交換をしてもらため、電話をして、そのサービスの車を待つことになるのでしょう。

アメリカでは人情がないとか、若者は老人をいたわらないといった意見が聞かれたりしますが、こんな若者もいます。彼の気性から思えば、見ず知らずの老人にも同じような助けをするように、私は思います。