日常には音が溢れている
岐阜の田舎で育ち
その後も静かな環境で暮らしていた
今の住まいはとても便利だけれど
さまざまな音に悩まされた
24時間 人工的な音が耳に入る
走り過ぎていく音
パトカーや消防車のサイレン
好きになれない騒音と思っていたけれど
無くすことはできないし…
だから
この世界に存在する音として
ただ聴いてみた
耳に入るがままにしてみた
すると
不思議と以前ほど
不快には聴こえなくなった
地下鉄や鉄道を利用する際の苦痛も
雑踏の疲労感も
以前より和らいだ
起きる出来事と同じく
音も
自分の見方 聞き方次第なのかもしれない
外階段の足音
隣の部屋の女の子の歌声
小学生のはしゃぐ声
猫の鳴き声
鳥のさえずり
虫の声
木々の香り
風の音
夜の音
夕焼けの音
毛布にくるまれる安心
大切な人の寝息とか
体温とか…
月の光
太陽の陽射し
ぽかぽかの縁側
日向ぼっこ
芝生を裸足で歩く感触
指先に触れるさらさらとした砂
どこかの家の夕食のにおい
黄昏時に灯る門灯
ただただ音を聴くうちに
幼い頃の記憶も溢れてくる
あれは夢だったのかな…という記憶も
咲き乱れるマーガレット
ひらひらと舞う数えきれない程の蝶々
やわらかく飛び交う夜の蛍
夕焼け空いっぱいの赤とんぼ
ジャングルジムの天辺から見た虹
かさこそ音を立てる枯れ葉
焚き火のにおい
過去の記憶にとらわれると
厄介な時もあるけれど
音をそのままあるがままに聴いた その先で
私の内側から愛が溢れ
世界の温かくて広い
やさしい愛に包まれました
今日も感謝でいっぱいです
ありがとうございます

愛と調和と静けさと