「おばぁ、ばぁの話」 | かとうとしろうのブログ

「おばぁ、ばぁの話」

3月1日   



昨日の朝、8時にコンビニに行った時です。

ビルの一角で雨の中を透明なかっぱをかぶって座ってる女がいました。

そばにビニールをかぶせて紙袋が置いてました。

このときは、変わってるおばさんがいるなーというだけでした。

素通りして帰って仕事をこなしました。

12時に通ったら、まだ座ってるんです。

今度はちょっと、気になりました。

雨の中をじっとしたまま、4時間もいたのか?

見た目は、あやしげな風貌をしてるんです。

ビニールをかぶってるのでよくはわかりませんが・・・・。

雨の中をコンクリートの上にじっと座ってるだけであやしいでしょ。

軒下ではないところですからね。

雨が直接からだに降りそそいでくるところでじっと座ってる。

よく見ると、口元を小刻みに動かしてるように見える。

雨のなかでぬれてるおばば。

「うーん」 唸っちゃいました。

仕事先に向かいながら電車の中で考えました。

また、「うーん」 なんだ、なんだ。

ひょっとして、平成の修行者。

諸国を旅してたどりついたところが新橋のビルの軒下。

あの口元の動きはマントラなのか・・・。

「阿弥陀如来」いやー、「月光菩薩」違うなー、「千手観音」。

あの汚い、あやしげな風貌は違うな。

じゃーあんだ・・・。

空海の生まれ変わりか。

それにしても不思議な、あやしいおばば。

おばばはね、

夫をすて、子供をすて、親をすてて、自分を捨てて生きる女の陰陽道(おんようどう)なんです。

自分の夢を捨てて、他人のために生きる女の魔法使いなんです。

魔法の威力がだんだんうすれて、やがて、からだも老いて一人でしんでいく

女の末路を背負ってる運命なんです。

見た目は、汚くしてて、人を近付けない風貌です。

行く先々で、呪文を唱えその場所に黄金を置いていくんです。

困ってるひとを助ける平成の鼠小僧でもあるんです。

地場が悪いところでは、のろいの呪文をとなえさらに悪くして立ち去るんです。

おばばは、気まぐれなんです。

世を捨てて生きるおばばは、多くの女が求める女の理想像なんです。

だから「どうしたんだ」だって、?

いやー、不思議な女性がいたもんで、オシラセしただけです。

よけいな、お世話ですか。

そうですね。

ぼくもそう思います。

でも、不思議なおばばだったなー 。

おばば、元気でいきな。