真っ白い雪の絨毯の上を長靴をはいて走ったことがある | かとうとしろうのブログ

真っ白い雪の絨毯の上を長靴をはいて走ったことがある

724日  

皇居でジョグ。土曜日の早朝、お濠の周りをぐるりとしてきました。なぜかたまにきて走りたくなるところがお濠です。ほかと違う何かがあります。だいぶ前、何年も何年も前のことです。大晦日(1231日)に大雪が降った年がありました。お正月の朝早に、お濠の周りをひとりで走ったことがあります。まっ白い雪の上を長靴を履いて走ったことがあるんです。

ひと一人いない真っ白な空間になぜか泣きながら走っていたんです。泣くといっても普通の泣き方とは違います。自然に涙が出てくる涙です。誰でもそうですよ、と言われればそうなんですが・・・。うまく言えないのですが、さわやかな涙と言えばいいのか、澄み切った涙とでもいえばいいのか?とにかくまっ白い雪の絨毯の上を泣きながら走ったんです。後ろを振り向くと、大きな長靴の跡がくっきりと残っていてとても美しい足跡なんです。(ぼくの足は27センチばかの大足なんです)

ブログを書いてて雪の中を泣きながら走ったことを唐突にからだの中からにじみ出てきました。なぜなんでしょうかね?

まっ白い絨毯のうえに大きな長靴の跡が、右足、左足、右足、左足、づっとづっと続いてるんです。はっきりと僕の脳裏に浮かんでくるんです。明確にです。白色が鮮明です。これはひょっとして、僕の人生の足跡。カメさんのようにゆっくり一歩一歩進みなさい。大きな足で地面をしっかりとらえて歩きなさい。今のままでいいですよ。自分を信じて生きていきなさい。という宇宙からのメッセジとかってに認識しました。

でも、なんでこんなことを思い出したんだろうか?

昨日の盆踊りをみて頭がおかしくなったようです。

僕にとって走ることは、持久力をつけること。集中力を養うこと。走ることによって自分に叱咤激励してるようです。

そもそも走るきっかけは、村上春樹さんが走ってるので僕も走ろうと思ったのが動機です。村上春樹さんのことは谷川俊太郎さんが教えてくれたのです。僕がエーゲ海で文章を書いて日本にFAXする話をしたら、谷川先生が加藤さんもうやってるひとがいるよ、といったんです。

誰ですか、僕がやろうとしてるのを勝手に僕の許可を取らずにやった世間知らずな人は、誰ですか?と聞いたらね。「村上春樹さんだったんです」この話はここで終わります、村上さんのことは忘れちゃうんです。


初めて名前を聞いてから、半年後くらい過ぎたある日のことです。うちでとってる新聞は東京新聞なんです。何気なしに広げたところに村上春樹さんのことが大きとり上げられてたんです。村上春樹・・?。記事を読んでたら、思い出したんです。僕がエーゲ海でやろうとしてたことを先にやった人、あの時の人か。ここからです。村上さんに興味持ったんです。ブックオフで買って読んでたんです。読んで気づいたのはこの人(村上さん)は特集能力(潜在力)をつかんでる人だと感じましたね。

またブックオフで買いました。「走ることについて語るときに僕の語ること」を読んで僕もまた走り出したんです。

僕のひと月走る距離と時間は「130キロメートル」「1040分」。一日5キロ。40分。1週間6日走る勘定です。最近は毎日走ってますから今月は軽く目標を突破です。

僕の走りは、ゆっくり時間をかけて走るやり方です。右ひざに爆弾を抱えてるもんですから。半月板が損傷してるんですけど、走ってるんです。不思議ですよ。医者に言わせると手術ですから、手術の日が決まってたんです。でもあることがきっかけで手術の10日前に中止したんです。ドクターと相談した結果です。奇跡が起こったんです。そんなことがあって1年後にある時、走れるようになったんです。ある時とは、村上春樹さんの本を見てからです。村上春樹さんが勇気をくれたんじゃないかと思ってますけど、勝手に思ってるだけですけどね。だって僕、村上さんにあったことないですから。

人生って面白ですよ、不思議なこと、おかしなこと、ばかみたいなこといろいろ体験できますから。ところで今は、村上さんはどこを走ってるんでしょうかね。暑い中を裸で走ってるんですかね?無理しないで走って下さい。