
2025年は三島由紀夫生誕100周年ということで、改めて三島作品を読み直してみたいと思います。
まずは、最初の自選短編集です。
短編集なので、いくつかの作品は何度か読み直していましたが、通して読み直したのは、初めて読んだとき以来、40年以上経ってます。
未来だけを見ていたティーンエイジャーの頃に読んだ印象と、老い先が見えてきたじじいになって読んだ印象は、あたりまえかもしらんけど、全く違います。
特に『花ざかりの森』などは、活字を追うだけで頭の中に入ってこない作品だったのですが、今回集中して読んで、やっと作品の凄さがわかりました。16歳が書いた文章としての驚きと、三島の早熟さがありありと伝わってくる作品です。
この本のよいところは、三島が自作解説をしていることです。これが実に味わい深い解説です。本文を読まなくとも、解説だけでも読むことをお勧めしたいくらいです。三島の作品に対する姿勢がよくわかります。
しかし、『中世における一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜粋』だけは、昔よんだときも、今よんでも、難解で理解しがたい作品です。三島はこの作品のことを「この短い散文詩風の作品にあらわれた殺人哲学、殺人者(芸術家)と航海者(行動家)との対比、などの主題には、後年の私の幾多の長編小説の主題の萌芽が、ことごとく含まれているといっても過言ではない」と、言い切っているのですが、どこらが萌芽してるのかわからん、、、
『詩を書く少年』、『海と夕焼け』については、今回読み直してやっと、三島の心情に近づけたように思います。
ずっと昔から印象に残っている作品が、『月』です。おそらく、十代に読んだときに共感できる部分が多々あったのでしょう。あまり三島っぽくない作品ですが。
映画『憂国』の写真がついています。
1966年の作品です。観てみたい。レンタルビデオ屋に置いてあるのだろうか?というか、いまなおレンタルビデオ屋って存在しているのだろうか?^^;
小説『憂国』は別の本に収録されているのも含め10回以上は読んだと思いますが、改めて読んでみても、すごい作品だと思います。三島が「もし、忙しい人が、三島の小説の中から一編だけ、三島のよいところ悪いところすべてを凝縮したエキスのような小説を読みたいと求められたら、『憂国』の一編を読んでもらえばよい」と言うだけあります。
作者プロファイル。
書誌事項。
p.s. 桜が開花した、2400引いて残りなし。