「カラマーゾフの兄弟」、「戦争と平和」とロシア文学を読んでみて、こりゃもっといろんな国の本を読まないといかんな、という気分になりました、次はイタリアいってみましょうか。
イタリアってったらピノキオくらいしか読んだことないし、、、「神曲」を読もうかな、と思ったのですが、あまり昔の時代のも大変なので^^;、選んだのはこちらの本。

裏表紙の内容紹介。
時代背景がムッソリーニ時代のイタリアだったことで、反ファシズムのベストセラーになったようですが、内容は現代においても通じるプロレタリア小説です。

権力と癒着した資本家の搾取は、現代の汚職まみれの日本政財界に通じます。カルト宗教と癒着している分、自民党政治の方が醜悪ではありますが。

物語は、わし、かみさん、息子の3人がかわるがわるに一人称で語る形式です。主人公のベラルドの純粋さ、仲間思いの気持ち、許嫁のエルヴィーラの自己犠牲、など話の中に引き込まれる要素は多く、気が付けば一気に読み終えていました。

こちら帯に書いてある紹介文。帯の紹介文てだいたいが大げさで読むのが恥ずかしくなるものが多いのですが、この文章は共感できる内容です。

百姓が資本家に騙されて水を奪われるシーンは、水道民営化を推し進めている売国奴を思い出しました。イタリアと日本、1930年代と2020年代と場所も時代も異なりますが、不条理は国や時代を越えて存在するもんだ、としみじみ感じた次第です。

作者プロファイル。
本作はアンチファシズムの小説ですが、スターリニズムにも異を唱える作者はイタリア共産党から除名されました。
この「フォンタマーラ」が処女作。

訳者プロファイル。シローネについては、研究レポート(?)がWeb上で公開されていました。
こちらを合わせて読むと作品への理解が深まります。

 政治活動家の死と作家の誕生 - シローネの処女作『フォンタマーラ』の背景

書誌情報。

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p.s. 原稿書き終え、釣りに行こうと思えば雨模様。