6/27 ソワレ スカイシアターMBS
I列 上手
坊ちゃんと山嵐のカランカランという下駄の音。
明るく威勢良く響くその音は、まるで悩める漱石を励ましているかのように聴こえる。
2人とも下駄は、音を鳴らさずに歩くこともできるようなので、カランカランは一種の効果音なのだろう。
この日もキャストの皆さま、それぞれ素晴らしかったが、やっぱり私は小林唯くんの山嵐と子規が一番好き。
袴姿がこれまた良く似合うんだなぁ。
豪放磊落にワハハとあの良く通る大きな声で笑い、キャッチボールをし、来し方を語り、俳句を詠み、伊予弁をしゃべる。
この作品の中でのキャッチボールは、ただのキャッチボールではなく、心を通わせる手段の一つとして使われている。
最後に、漱石(井上芳雄)の妻、鏡子(土居裕子)さんが百合の花を生けて、漱石に見せて香りを楽しんでいる場面は「夢十夜」の第一夜のオマージュか。
二人の愛と信頼を百合の花で表しているように思える演出だった。
隅々までよくできた作品。
この日は前楽で、Wキャスト子役さんたちの千秋楽だったので、昊生くんと夢華ちゃんからご挨拶があった。
昊生くんは、
「初日から千秋楽まで一度もキャッチボールでボールを落とさなかった!」ことを一番、お客さまに伝えたかったそうで、満場のお客さまに拍手をもらい、それをまた自分のパフォーマンスでピタっと見事に止め、嬉しそうだった。
普段から野球をやっていて、ショートを守っていてバッファローズファンで…
芳雄さんから「野球のことになるとよくしゃべるな」と突っ込まれていた。
将来の夢は「ミュージカル王」だそう。
夢華ちゃんは、劇中怒ってばかりいる漱石の娘、筆子役
稽古中「芳雄さんの怒り方が優しすぎる、そんなぐらいの怒り方じゃ泣かない」と言って、
芳雄さんから「まさか子役にダメ出しされるとは思ってなかった」と笑いを取っていた。
また、漱石と妻鏡子の夫婦喧嘩のことを
「趣味なんだから」という台詞があるのだけれど、
その台詞の言い方が大阪のお客さまには大層ウケて、いっぱい笑ってもらえて嬉しかったそう。
彼女も将来はミュージカル俳優になりたいとのことで、子役さん2人とも期待の星だ。
アイ・ラブ♪坊ちゃん、とても良い作品だと思うけれど、チケットの売れ行きが今ひとつだったようで、再演が当分無さそうなのが残念だ。


