街で、見覚えのある女の子の笑顔が目についた。

正確には女の子の笑顔の写真。


『目標金額に達成いたしました!ご協力ありがとうございました!』
と大声を張り上げて歩く人達。


私は思わず立ち止まった。
良かったぁ。。。。


数週間前、同じこの場所で、私はその女の子の写真を初めて見た。
鼻にたくさんの管を通された、その笑顔に私は釘付けになった。

拡張型心筋症と診断され、海外での心臓移植しか生きる道が残されていない生後11か月の女の子だった。

数人の人達が、募金を呼び掛けていた。
道行く人すべてに話しかけるように、声がかすれるほど、大きな声で。


看板には目標金額が記されていた・・・・・・1億1700万円。
気が遠くなりそうな額だ。


私は立ち止まった足を進めることができず、しばらくその笑顔を眺めていた。


もし自分の子供が同じ立場だったら
きっと私もここで同じように大声を張り上げる。
そう思うと同時に私は財布から千円札を1枚取り出し、小さな募金箱に入れた。
この笑顔を守ってあげたかった。


「ありがとうございます!!」
募金箱を持っていた女性が、目を潤わせ、私に深々と頭を下げた。


目標金額の1億1700万円は、約1か月で達成したという。
たった千円だけど、その女の子のこれからの人生の希望のかけ橋になれたことが
嬉しかった。

といっても、この女の子にとって、今がスタート地点。
これからの道は困難だろうとは思うけど、
絶対絶対元気になって生きていって欲しい。。。





そう強く願ったことを昨日のように覚えている。

その女の子の写真を見たのも、募金をしたのも今から数年前のこと。

昨日、私は急にその女の子の行方が気になり、ネットで覚えている限りの情報を打ち込み
現状を調べてみた。


だけど。。。


1歳にも満たない小さな小さな命は、遠い海外で息途絶えていた。


胸が締め付けられそうになった。

これが現実。


たくさん頑張った分、天国で元気に笑顔で過ごせてるといいな。


ご冥福を心からお祈りいたします。