ヘパイストス 出典:Wikipedia
ギリシャ神話に登場する神、ヘパイストスは、オリュンポス12神のひとりです。
炎と鍛冶の神で、自分の工房で様々な武器や道具、宝を作っています。
ヘパイストスの作ったもの
- エピメテウスの妻となった美女パンドラ
- ゼウスの盾アイギス、ゼウスの雷
- 自分で歩くことのできる真鍮の三脚器
- アポローンとアルテミスの矢
- 「アキレウスの盾」を含むアキレウスの武具一式
- 青銅の巨人タロース
- ヘラクレスがステュムパロスの鳥退治の際に使った青銅の鉦
名前の語源は「炉」「燃やす」という意味のギリシャ語に由来するといわれています。
ゼウスとヘラの間に生まれました。![]()
ヘパイストスの子供には
アテナとの間に、エリクトニオス
アンティクレイアとの間に、ペリペテス
アグライアとの間に、エウクレイア、エウペメ、ビロプロシュネ、エウラニア
カベイロとの間に、カベイロス
アイトネとの間に、タレイア
などがいます。
子沢山ですね![]()
ヘパイストスは、ゼウスが前妻テミスとの間に、立派な子を儲けていたことに焦ったヘラが、正妻としての名誉を挽回するべく単性生殖して産んだ子供であると言われています。
ところが、生まれたヘパイストスは両足の曲がった醜い姿でした。![]()
これに怒ったヘラは、生まれたばかりのわが子を天から海に投げ落としてしまいます。
ヘパイストスは海の女神テティスとエウリュノメに拾われ、9年の間育てられた後、天に帰りました。
ヘパイストスはその礼として、テティスとエウリュノメに自作の宝石を送りました。![]()
ヘパイストスはオリュンポスの神々に加えられましたが、ヘラの彼への冷遇は続き、彼は母への不信感を募らせていきました。
そんなある日、ヘパイストスからヘラに豪華な椅子が届けられます。
宝石をちりばめ、黄金でつくられ、とても美しい椅子で、その出来に感激した上機嫌のヘラが椅子に座ったとたん体を拘束され身動きが取れなくなってしまいました。![]()
その後ディオニュソスがヘパイストスを酔わせて天上に連れてきて解放させたといわれています。![]()
神々の武具を作ることで有名なヘパイストスですが、自ら戦うこともあるんです。
ヘパイストスは、ヘラに命じられて、アキレウスを襲う河の神スカマンドロスと対決し、決して弱まることのない炎を放って、巨大な河そのものを瞬時に沸騰・蒸発させ、河の神を屈服させました。
アプロディテとの結婚
ヘパイストスは、なんと、アプロディテと結婚しています。![]()
ゼウスが自ら、ヘパイストスにアプロディテを妻として与えたと言われています。
しかし、彼女はヘパイストスの醜さを嫌っていました。
なんせ、美の女神ですからね![]()
ある日、軍神アレスが現れます。
アレスはゼウスとヘラの子であるものの、争いの神であり残虐な性格である事から、神々や人々からの評判はすこぶる悪いのです。
オリュンポスの男神の中でも一二を争う美男子だったアレス。
やがて醜い夫との生活に疲れていたアプロディテは、美形のアレスと恋愛関係となります。![]()
ヘパイストスは、妻の浮気にまったく気付かず、夫婦仲の悪さはアプロディテの機嫌が悪いだけだと妻を信じていました。![]()
しかしヘリオスから事実を知らされたヘパイストスは落胆し、同時にアプロディテへの激しい憎悪が芽生えます。
ある日、ヘーパイストスは
「仕事場に行く。しばらく家には戻れない」
と言い、家を出て行きました。
これ幸いと浮気に浸るアレスとアプロディテでしたが、二人でベッドに入ったとたんに見えない網で捕えられ、裸で抱き合ったまま動けなくなってしまいました。
この網は、妻への復讐の為にヘパイストスが作った特製の網で、彼以外解く事が出来ない物でした。
何とか解こうとするアプロディテとアレス。![]()
動けば動くほど体に食い込み、完全に身動きが取れなくなってしまいました。
妻とアレスの密通現場を押さえたヘパイストスでしたが、妻が自分には見せなかった媚態の艶やかなる美しさをアレスにさらしたことに激怒し、更なる辱めを与えてやろうと考えていました。![]()
『ヘーパイストス、アレースとアプロディーテー』
出典:Wikipedia
すると、そこへ伝令の神であるヘルメスが偶然にも通りかかります。
ヘルメスがアプロディテに片思いしていることを知っていたヘパイストスは、密通現場を彼に見せれば興味を持つと考え、ヘルメスを招き入れます。
彼の目論見通り、ヘルメスは興味を示し釘付けになります。![]()
すると、ヘパイストスは
「他の12神を呼んで来て頂きたい。特に結婚の仲人をして頂いた母上を呼んで来て欲しい」
とヘルメースに頼みました。
伝令の神であるヘルメスは、瞬く間にオリンポス中を駆け巡って、面白いものが見られると触れ回り、12神をヘパイストスの神殿の前に連れて来ました。![]()
そして、集まった神々を前にヘパイストスは
「これから面白い見世物をご覧に入れましょう」
と言って、アプロディテとアレスの密通現場をさらしました。![]()
密通現場を見せられた神々は、皆困った顔をしてしまうのです。
と言うのもアプロディテとアレスの二人のさまが余りにも面白く、大声で笑いたかったのですが、神である自分たちが品もなく馬鹿笑い出来なかったことと、結婚を取り仕切ったヘラの手前、笑うことが出来なかったのです。
ところが、アポロンが
「ヘルメス、あなたは以前からアプロディテと関係をもちたいと言っていたじゃない。丁度良い機会だ、アレスと代わって貰ったらどうだ?」
と言ったのに対し、ヘルメスが
「入りたいのは山々だけど、私の一物はアレスの物と比べ、たいした物じゃないんです。」
と返したことで、我慢していた神々は思わず吹き出してしまいました。![]()
アレスは恥ずかしさのあまり、解放された途端逃げるように自分の領域へ去っていきましたが、アプロディテはただその場で微笑んでいました。![]()
アプロディテは恥ずかしくなかったのかしら?![]()
神々の笑い声が響く中、この結婚を取り仕切ったヘラだけは笑えずにいました。
そんなヘラに対しヘパイストスは
『母さん、貴方が仲人してくれた花嫁は、他の神々とベッドを共にするふしだらな女です。ここにのしを着けてお返しするので、どうぞお引取りください』
と言った。
再び神々の前で恥を掻かされたヘラはアプロディテを連れ、神々の失笑が木霊す中、退散していきました。![]()
その後、ポセイドンの仲介の元、ヘパイストスはアプロディテと離婚し、アレスから賠償を受け取ります。
そして、アレスはトラキア、アプロディテはクレタ島での謹慎を命じられました。
後にアプロディーテーはポセイドーンにこの仲介の礼を与えている。
にわとりのお話
アレスはアプロディテと浮気をするとき、従者であるアレクトリュオンに見張りをさせていました。
ところがある日、アレクトリュオンは居眠りをしてしまい、ヘリオスが天に昇っても2人は気付きませんでした。
このため2人はヘリオスに見つかり、ヘパイストスの罠にかかってしまいました。
アレスは、神々の前で大恥を掻かされたことに激怒し、アレクトリュオンを鶏へ変えてしまいました。
それ以来、鶏は太陽が昇ると
「ヘーリオスが来たぞ(コケコッコー)」
と鳴くようになったと言われています。

