ヘラクレスを産むアルクメネ 出典:Wikipedia
アルクメネは、 ギリシャ神話に登場する女性です。
ミュケナイ王エレクトリュオンとアナクソの間に生まれました。
兄弟に、ストラトバテス、ゴルゴポノス、ピュロノモス、ケライネウス、アムピマコス、リュシノモス、ケイリマコス、アナクトル、アルケラオスがいます。
異母兄弟にリキュムニオスがいます。
アルクメネを見初めたゼウスは、アルクメネをものにするために、あれよこれよと言い寄りますが、アルクメネは伯父のアムピトリュオンとの結婚の約束を守り、決してなびくことはしませんでした。
そこでゼウスはアムピトリュオンが戦いに出かけて不在のおり、アムピトリュオンに化けて、遠征から帰ったように見せかけ、ようやく思いを遂げ、1夜を3倍の長さにして楽しみました。
何も知らないアルクメネは、次の日に本当の夫・アムピトリュオンを迎えいれ、神の子ヘラクレスと人の子イピクレスの双子の母となりました。
アルクメネが産気づいたとき、ゼウスは
「今日生まれる最初のペルセウスの子孫が全アルゴスの支配者となる」
と宣言しました。
それを知ったゼウスの妻ヘラは、出産を司る女神エイレイテュイアを遣わして双子の誕生を遅らせます。
もう一人のペルセウスの子孫で、まだ7か月のステネロスとニキッペの子供エウリュステウスが先に生まれるようにしました。
ヘラクレスの誕生後、ゼウスはヘラクレスに不死の力を与えようとして、眠っているヘラの乳を吸わせました。
ヘラクレスが乳を吸う力が強く、痛みに目覚めたヘラは赤ん坊を突き放しました。
このとき飛び散った乳が天の川になったといいます。
また、一説にはアルクメネはヘラの迫害を恐れて赤ん坊のヘラクレスを城外の野原に捨てました。
ゼウスがアテナに命じて、ヘラを赤ん坊の捨てられた野原に連れて行くと、アテナは赤ん坊を拾い、赤ん坊に母乳を与えるように勧めます。
ヘラは赤ん坊を哀れに思い、母乳を与えました。
アテナは不死の力を得た赤ん坊をアルクメネの元へ返し大切に育てるよう告げます。
これを恨んだヘラは密かに二匹の蛇を双子が寝ているゆり籠に放ったが、赤ん坊のヘラクレスは素手でこれを絞め殺したそうです。