デメテル 出典:Wikipedia
デメテルはギリシャ神話のオリュンポス12神のひとりです。
豊穣の女神であり、穀物の栽培を人間に教えた神と言われています
デメテルは、クロノスとレアの娘で、ゼウスの姉にあたります。
ゼウスとの間に娘のペルセポネをもうけました。
しかし、ゼウスがデメテルに無理やり迫った挙句、無理やり子供を作らされたため、ゼウスにあまり良い印象を持っていませんでした。
なんと、弟の海の神ポセイドンからも無理強いされ、秘儀の女神デスポイナと1頭の名馬アレイオンを生みます。
恋人のイアシオンは、ゼウスの嫉妬によって稲妻に撃たれてしまいました。
イアシオンとの間にプルトスとピロメーロスをもうけました。
普段は温厚ですが、怒ると地上に飢餓をもたらすため、ゼウスもデメテルのことは一目置いているようです。
テッサリア地方の王エリュシクトンが、デメテルの聖地である森の木を根こそぎ伐採したときは、彼のもとへ「飢餓」を遣わして、エリュシクトーンを、いくら食べても満たされない激しい飢えで苦しめます。
最終的にはエリュシクトンが自身の体をむさぼり食う形で死に追いやりました。
ペルセポネの略奪
デメテルは、ペルセポネの姿がどこにもないことに気づくと、何か悪いことに巻き込まれたのではないかと、悲しみにくれながら、行方の分からない娘を探して地上を巡り歩きました。
犯罪に詳しい神と言われるヘカテに、ペルセポネの居場所を知らないか?と問い掛けると、ヘカテは「ペルセポネはハデスに冥界に連れ去られたよ」と答えました。
しかし、ゼウスたち他の姉弟と違い純真で心優しい性格であるハデスがそんなことをするはずがないと思っていたデメテルは、地上のことは何でも知っているヘリオスに確認を求めました。
太陽神「ヘリオス」から、「ゼウスが、ペルセポネを后に迎えたいと言ったハデスをそそのかし拉致させたよ」とハデスがペルセポネを冥府へと連れ去ったことを知ります。
デメテルはゼウスの元へ抗議に行きます。
ゼウスは取り合わず、「冥界の王であるハデスならば夫として不釣合いではないだろう」と言い訳をしました。
デメテルは、娘の略奪をゼウスらが認めていることに怒り、オリュムポスを去って大地に実りをもたらすのをやめ、老女に変身し地上に姿を隠してしまいます。
地上に大規模な不作や凶作をもたらしたため、ゼウスはこりゃ困ったぞと、デメテルに娘の帰還を約束しますが、ある条件をつけました。
それは、ペルセポネが冥府にいる間、食物を一切口にしてはいけないという条件をつけました。
ペルセポネの帰還
ハデスもこれに応じる形でペルセポネーを解放しました。
その際、ペルセポネは、空腹に耐えかねて、ハデスから差し出されたそのザクロの実の中にあった12粒のうちの4粒(または6粒)を食べてしまったのです。
冥府のザクロを食べてしまったことを母に告げます。
冥界の食べ物を食べた者は、冥界に属するという神々の取り決めがあったため、ペルセポネは冥界に属さなければならなくなりました。
デメテルは、ザクロは無理やり食べさせられたと主張してペルセポネが再び冥府で暮らすことに反対するが、食べてしまったザクロの数だけ冥府で暮らす(1年のうちの1/3(または1/2)を冥府で過ごす)こととなりました
デメテルは、娘が冥界に居る時期だけは、地上に実りをもたらすのを止めるようになりました。
これが冬という季節の始まりだと言われています。
また、ペルセポネが地上に戻る時期は、母である豊穣の女神デメテルの喜びが地上に満ち溢れるとされ、これが春という季節の始まりだとも言われています。
デメテルとポセイドン
デメテルは娘を捜して地上を放浪していた時、ポセイドンに迫られます。
神様って、お盛んなのねぇ
デメテルはポセイドンを避けるため、牝馬の姿となり、オンコス王の馬群の中に紛れ込みました。
しかしポセイドンは彼女を発見し、自分も牡馬の姿となって近づき、デメテルと交わいました。
この結果、デメテルは一人の娘と名馬アレイオンを生みました。
娘の名はデスポイナと呼ばれますが、これは単に「女君主」の意に過ぎず、実際の名は密儀の参加者以外には明らかにされていません。