スキュラ 出典:Wikipedia

 

 

スキュラはギリシア神話に登場する怪物です。

 

母・エキドナと父・テュポンとの間に生まれた子供たちのひとりです。

 

スキュラは、上半身は美しい女性で、下半身からは足の代わりに幾つかの犬の体が生えた姿をしていると言われています。

 

かつてはニュムペであったそうですよ。びっくり

 

スキュラに対し、大勢の男性が結婚を申し込んでいましたが、スキュラは常に拒み続けていました。

 

海のニュムペを訪ねては、若者たちをそっ気なくあしらった経緯を話していましたが、ニュムペたちも彼女のことをとても気に入っていました。

 

ニュムペの中の一人、ガラテイアはスキュラに、かつて自分に恋したキュクロプスのポリュペモスに、恋人のアキスを殺された話をしました。えーん

 

あるとき、スキュラのもとに海の神の一柱、グラウコスが現れました。

 

スキュラに一目惚れをした彼に対し、突然のことに驚いた彼女は逃げ出し、海に面した山の上まで来ました。

 

そこから改めてグラウコスを眺めてみたんです。

 

しかし、彼の長い髪、脚の代わりに生えている魚の尾などといった人間離れした姿には、やはり驚きを隠せませんでした。アセアセ

 

そんな彼女に対しグラウコスは、自分は海神であり決して怪物ではないこと、元々は普通の漁師であったが、とある草を噛んでみたら突然水が恋しくなったこと、陸での生活を捨て海に潜った先で、海神たちが自分を神の仲間へ加え、オケアノステテュスによって浄められ人間的な部分をすっかり洗い流されたこと、そして今ではプロテウストリトンなど、他の海神たちにも劣らない存在になったことなど、彼女の心をつなぎ止めようと必死に語りかけ、熱烈に求愛しました。

 

しかし、グラウコスはスキュラの心を射止めることはできませんでした。

 

彼がさらに話を続けようとしたのも虚しく、彼女は逃げてしまいました。アセアセ

 

グラウコスはスキュラのことを諦めきれず、魔術と薬学に深い知識を持つキルケを訪ねます。

 

呪文や薬草の力を使って、どうかスキュラとの恋を成就させてほしいと頼みました。

 

しかし、相談を受けたキルケ自身がグラウコスを気に入ってしまいました。

 

やばっ!ガーン 三角関係じゃないビックリマーク

 

キルケは、グラウコスに、自分に何の興味も持たない相手を求めないで、自分に対して恋している相手を求めるべきですビックリマークと言い、スキュラよりも自分を選ぶように勧めましたが、グラウコスは頑として聞き入れようとはしませんでした。滝汗

 

このことにキルケは怒りましたが、グラウコスへの恋心は変わらなかったため、彼に対して危害を加えるような考えは起こらず、代わりに、恋敵であるスキュラに怒りの矛先を向けました。

 

なんでやねんゲッソリ

 

スキュラが特に気に入っていた場所の一つに、とある小さな淵があっって、日差しが特に強い時には、この場所を訪れました。

 

キルケーは得意の魔術と薬学の知識で毒薬を作り、これをその淵の水に流して呪文を唱えました。ガーン

 

何も知らないスキュラは、その場所にやってきて水に入ります。

 

そして、腰まで水に浸かったとき、突然彼女の腹部を凶暴な犬が巻きつきます。

 

その恐怖に彼女は怯え、その場から逃げ出そうとしますが、犬たちは全く離れようとしません。アセアセ

 

そして彼女が自分の脚に触れようとしても肝心の脚はなく、ただ暴れる犬たちの顔があるのみでした。

 

スキュラを取り巻いていると見えた犬たちの姿は、実は彼女自身の身体の一部だったのです。アセアセ

 

こうしてスキュラは、キルケの毒薬により、上半身は美しい姿のまま下半身からは幾つもの犬の体が生えた姿へと変わってしまいました。えーん

 

グラウコスはそんな彼女を見て悲しみ、彼女にそのような仕打ちをしたキルケとの関係を絶ちました。

 

後にトロイア戦争がギリシャの勝利をもって終戦を迎えると、ギリシャ勢の英雄オデュッセウスと彼の率いる仲間たちを乗せた船はトロイアから帰ろうと航海をします。

 

その最中にシケリア島の近くを通りかかりました。

 

一行はあらかじめ、この場所を通る際には、カリュブディスとスキュラ、ふたつの怪物に注意するようにとキルケに言われていました。

 

カリュブディスは巨大な渦で一日に三度、船を含めたあらゆるものを呑みこみ、三度吐き出すという怪物でした。

 

カリュブディスの方を通れば全滅。アセアセスキュラなら6人の仲間が犠牲になるだけで済む。ガーン

 

スキュラの方を通るしかありませんでした。ガーン

 

その一行に対しスキュラは、6本のとても長い首を伸ばすと、それで6人の船員を襲い、そのまま連れ去ってしまいました。

 

船は何とかその場を切り抜けることができましが、オデュッセウスもスキュラに対してはなすすべを持たず、襲われた船員の悲鳴を、ただ聞いていることだけしかできませんでした。えーん

 

このように、彼女は近くを通りかかる船に襲い掛かり、乗組員を6人ずつ食い殺す怪物となってしまったのです。

 

スキュラは最後に岩礁に変えられたと言われています。

 

それでも、付近を通る船の船員からは避けられたと言います。

 

オデュッセウス一行の後に、トロイア方の英雄アイネイアスと、彼が率いるトロイア人の生き残り一行がシケリア島の付近を通ったが、その時すでにスキュラは岩礁と化した後だったそうです。