壺に描かれたケートス 出典:Wikipedia
ケトスはギリシア神話に登場する怪物です。
母・エキドナと父・テュポンとの間に生まれた子供たちのひとりです。
ケトスは、大きく膨れたクジラやイルカに似た胴体に、イノシシや犬やライオンやワニなどにも似た頭部を持ち、アシカの様な胸びれ、そして犬やライオンの様な前足を持っていました。
下半身は魚の様で鱗を持ち、尾びれは扇形で二つに割れています。
口や鼻から水を吹くこともあります。
頭蓋骨の長さが12メートル以上、背骨は1キュビットの厚さがあり、横たわる骨格だけでゾウよりも高さがあったと言われています。
ケトスはポセイドンによって、エチオピア人の王国を崩壊させるために送り込まれました。
王妃カッシオペイアが自らの美貌を誇示し、女神ヘラや海のニュムペ達よりも美しいと吹聴したため、ポセイドンの怒りを買いました。
ポセイドンが仕向けたケトスを鎮めるには、国王と王妃は愛娘(王女)であるアンドロメダを生贄にするしかなく、アンドロメダは鎖に繋がれてヤッファの海岸の岩に縛り付けられました。
ほどなくしてケトスが海から現れ、束縛されたアンドロメダがケトスに喰われようとした時に、メドゥーサを退治した英雄ペルセウスがこの地を通りかかりました。
王女を救うためにペルセウスは怪物と戦うことを決意し、激しい攻防の末にケトスはペルセウスによって退治されてしまいました。
アンドロメダは無事に救われて、そしてペルセウスの妻となったと言います。