出典:Wikipedia
ヘラクレスはゼウスとアルクメネ(ペルセウスの孫に当たる)の子です。
ミュケナイ王家の血を引く子と言われています。
ギリシア神話に登場する多くの半神半人の英雄の中でも一番の英雄です。
のちにオリュンポスの神に連なったと言われています。
ヘラクレスの生い立ち
ヘラクレスの幼少の頃の名前をアルケイデスといい、また、祖父の名のままアルカイオスとも呼ばれていました。
12の功業を行う際、ティリュンスに居住するようになった彼をデルポイの巫女が 「ヘラの栄光」を意味するヘラクレスと呼んでからそう名乗るようになったと言われています。
キュノサルゲス等、古代ギリシア各地で神として祀られ、古代ローマに於いても盛んに信仰されました。
アルクメネを見初めたゼウスは、アルクメネをものにするために、あれよこれよと言い寄りますが、アルクメネはアムピトリュオンとの結婚の約束を守り、決してなびくことはしませんでした。
そこでゼウスはアムピトリュオンが戦いに出かけて不在のおり、アムピトリュオンに化けて、遠征から帰ったように見せかけ、ようやく思いを遂げ、1夜を3倍の長さにして楽しみました。
アルクメネは次の日に本当の夫を迎えいれ、神の子ヘラクレスと人の子イピクレスの双子の母となりました。
アルクメネが産気づいたとき、ゼウスは
「今日生まれる最初のペルセウスの子孫が全アルゴスの支配者となる」
と宣言しました。
それを知ったゼウスの妻ヘラは、出産を司る女神エイレイテュイアを遣わして双子の誕生を遅らせます。
もう一人のペルセウスの子孫でまだ7か月の、ステネロスとニキッペの子供エウリュステウスが先に生まれるようにしました。
こうしてヘラクレスは誕生以前からヘラの憎しみを買うことになったそうです。
ヘラクレスの誕生後、ゼウスはヘラクレスに不死の力を与えようとして、眠っているヘラの乳を吸わせました。
ヘラクレスが乳を吸う力が強く、痛みに目覚めたヘラは赤ん坊を突き放しました。
このとき飛び散った乳が天の川になったといいます。
また、一説にはアルクメネはヘラの迫害を恐れて赤ん坊のヘラクレスを城外の野原に捨てました。
ゼウスがアテナに命じて、ヘラを赤ん坊の捨てられた野原に連れて行くと、アテナは赤ん坊を拾い、赤ん坊に母乳を与えるように勧めます。
ヘラは赤ん坊を哀れに思い、母乳を与えました。
アテナは不死の力を得た赤ん坊をアルクメネの元へ返し大切に育てるよう告げます。
これを恨んだヘラは密かに二匹の蛇を双子が寝ているゆり籠に放ったが、赤ん坊のヘラクレスは素手でこれを絞め殺したそうです。
おそるべし、ヘラクレス
ヘラクレスの成長
ヘラクレスは
ミュケナイの王・アムピトリュオンから戦車の扱いを、
盗みの名人・アウトリュコスからレスリングを、
巨人・エウリュトスから弓術、
馬術の名手・カストールから武器の扱いを、
リノスから竪琴の扱いを学びました。
しかしリノスに殴られた際、ヘーラクレースは激怒し、リノスを竪琴で殴り殺してしまいます。
そしてその後、ケンタウロス族のケイロンに武術を師事して、剛勇無双となるんです。
キタイロン山のライオンを退治した後、ライオンの頭と皮を兜・鎧のように身につけて戦うようになります。
ヘラクレスは義父アムピトリュオンが属するテーバイを助けてオルコメノスの軍と戦い、これを倒します。
クレオン王は娘メガラを妻としてヘラクレスに与えます。
二人の間には3人の子供が生まれましたが、ヘラがヘラクレスに狂気を吹き込み、ヘラクレスは我が子とイピクレスの子を炎に投げ込んで殺してしまいました。
正気に戻ったヘラクレスは、罪を償うためにデルポイに赴き、アポロンの神託を伺います。
神託は「ミュケナイ王エウリュステウスに仕え、10の勤めを果たせ」というものでした。
ヘラクレスはこれに従い、本来なら自分がなっているはずのミュケナイ王に仕えることになりました。
「ヘラクレスの選択」とは、敢えて苦難の道を歩んで行くことをいうそうですよ。
ヘラクレス の子供たち
★母:メガラ
・テリマコス ・クレオンティアデス
・ディコオン
★ 母:オムパレ
・アゲラオス ・ラモス
・ラオメドン
★母:ディアネイラ
・ヒュロス ・グレノス
・クテシッポス ・オネノテス
・マカリア
★母:アウゲ
・テレポス
★母:アステュオケ
・トレポレモス
★母:へべ
・アレクシアレス ・アニケトス
ヘラクレスの最期
ヘラクレスとその妻デイアネイラは、彼らの子供であるヒュロスを連れて旅をしていました。
ある日、ヘラクレスは川を渡ろうとしましたが、家族と共に渡るにはあまりにも流れが激しすぎました。
ちょうどそのとき川辺にいたケンタウロスのネッソスが、デイアネイラを担ぐと申し出たので、ヘラクレスがヒュロスを担ぎ、ネッソスがデイアネイラを担いで激流の川を渡りました。
しかし、早く向こう岸に着いたネッソスがデイアネイラを犯そうとしたためにヘラクレスはヒュドラの毒矢でネッソスを射殺してしまいまた。
ネッソスは死に際に、
「自分の血は媚薬になるので、ヘラクレスの愛が減じたときに、衣服をこれに浸して着せれば効果がある」
と言い残しました。
デイアネイラはその言葉を信じ、ネッソスの血を採っておいきました。
後にヘラクレスがオイカリアの王女イオレを手に入れようとしているのを察したデイアネイラは、ネッソスの血に浸した服をリカスに渡してヘラクレスに送りました。
ヘラクレスがこの衣服を身につけたところ、たちまちヒュドラの猛毒が回って、体が焼けただれ始めて苦しみ、怒って無実のリカスを海に投げて殺してしまいました。
ヒュドラの毒矢で死んだネッソスの血は、ヒュドラの毒と同じ効果を持っていたのでした。
あまりの苦痛に耐えかねたヘラクレスは薪を積み上げてその上に身を横たえ、ポイアスに弓を与え(後にこの弓はポイアスの息子ピロクテテスのものになります)、火を点けるように頼みました。
こうしてヘラクレスは生きながら火葬されて死んでしまいました。
これを知ったデイアネイラは後追い自殺をしました。
ヘラクレスは死後、オリュンポス神の座に上がりました。
このときにようやくヘラもヘラクレスを許し、娘のヘベを妻に与えたと言います。
そしてヘベとの間にアレクシアレスとアニケトスという息子を儲けました。
12の功業
エウリュステウスがヘラクレスに命じた仕事は次の通り。
★ネメアの獅子
★レルネのヒュドラ
★ケリュネイアの鹿
★エリュマントスの猪
★アウゲイアスの家畜小屋
★ステュムパロスの鳥
★クレタの牡牛
★ディオメデスの人喰い馬
★アマゾンの女王の腰帯
★ゲリュオンの牛
★ヘスペリデスの黄金の林檎
★地獄の番犬ケルベロス