出典:Wikipedia
ケルベロスは、ハデスが支配する冥界の番犬です。
怪物・テュポンとエキドナの間に生まれました。
ケルベロスは冥府の入り口を守護する番犬です。
3つ首で、竜の尾と蛇で構成されたたてがみを持つ巨大な犬や獅子の姿で描かれることがほとんどです。
またハデスに対しては非常に忠実で、死者の魂が冥界にやって来る場合にはそのまま冥界へ通しますが、冥界から逃げ出そうとする亡者は捕らえて食べてしまいます。
これが地獄の番犬といわれる由来です。
ヘラクレスがケルベロスを捕えて地上に連れ出した話は有名です。
この際にケルベロスは太陽の光に驚いて吠え、飛び散った唾液から猛毒植物であるトリカブトが発生したという話も残っています。
普段は3つの頭が1つずつ交代で眠り、残る2つの頭で常に見張りをしているのですが、竪琴の名手オルペウスが死んだ恋人エウリュディケを追って冥界を訪れたとき、ケルベロスはオルペウスの奏でる竪琴の美しい音色によって全ての頭が同時に眠ってしまいました。
また、甘い物が大好きで、蜂蜜と小麦の粉を練って焼いた菓子を与えれば、それを食べている間に目の前を通過することが出来ると言われていて、アイネイアスを連れたクマイのシビュレや、ペルセポネに美を分けて貰いに行ったプシュケはこの方法でケルベロスをやり過ごしました。
その後、この菓子はカロンへの渡し賃にもなっています。
ただし、プシュケが冥界にやってきた時、カロンに渡したのはオボロス銅貨、ケルベロスに食べさせたのは堅パン、シビュレが食べさせたのは睡眠薬入りの酒に浸したパンだともいわれています。
そして、後にこのことから厄介な相手を懐柔する賄賂(わいろ)の意で「ケルベロスにパンを与える」という言葉が生まれたそうです
ヘラクレスの功業
ヘラクレスの12の功業の最後の難行は、ケルベロスを無傷で冥界から連れてくることです。
ヘラクレスは冥界に入ってハデスから「傷つけたり殺したりしない」という条件で許可をもらい、ケルベロスを生け捕りにしました。
その際、ペルセポネを略奪しようとして「忘却の椅子」に捕らわれていたテセウスとペイリトオスも一緒に助け出しました。
また、地上に引きずり出されたケルベロスは太陽の光を浴びた時、眩しすぎて狂乱してよだれを垂らしました。
そのよだれから毒草のトリカブトが生まれたと言われています。