ギリシャ神話における原初の神カオスの次に生まれた原初の神々のひとりであるニュクスが単独で産んだヒュプノス(眠りの神)。
タナトス(死の神)と双子の兄弟です。
兄のタナトスと共に、大地の遥か下方のタルタロスの領域に館を構えています。
そしてニュクスが地上に夜をもたらす時には、彼も付き従って人々を眠りに誘うと言います。
兄のタナトスが非情の性格であるのに対し、ヒュプノスは穏やかで心優しい性格であると言われています。
人の死も、ヒュプノスが与える最後の眠りであるそうです。
ヒュプノスは、一般には有翼の青年の姿で表されます。
疲れた人間の額を木の枝で触れたり、角から液体を注いだりして人を眠らせるそうです。
ヒュプノスはレムノス島の奥深い洞窟に眠っており、その周りに、モルペウスをはじめとする三種類の夢の神、オネイロイが漂っていると言われています。
また、キムメリオス人の住むという世界の果ての島の近くに暮らすとも言われています。
ヒュプノスは、ヘラクレスを迫害するゼウスの妻・ヘラに頼まれてゼウスを眠らせたことがあり、その後ゼウスに罰せられる所を母であるニュクスに助けられました。
また、トロイア戦争の際にも、戦争からゼウスの気をそらそうとしたヘラに頼まれてゼウスを眠らせており、その後ヘラからパシテアを妻とすることを許されたという経緯もあります。
出典:Wikipedia