ピュトンを倒すアポロン 出典:Wikipedia
ピュトンとは、神託所デルポイを守る番人であり、巨大なヘビの怪物で、ガイアの子供です。
ピュトンは、デウカリオンの大洪水後に残った泥から生まれたと言われています。
また、デルポイの神託所をすっぽり巻ける巨体を持つとも言われています。
のちにアポロンによって倒され、以後デルポイはアポロンの神託所となり、アポロンがテミスに代わって神託を下すようになりました。
ピュトンはまた、怪物・テュポンの乳母を務めていたとも言われているんです。
ピュトンは自分が、タイタン族のコイオスとポイべの子・レトの子によって死ぬという予言を受けていました。
そこで、ゼウスとの間に授かった双子のアポロンとアルテミスを身籠もっていたレトを追い回し、彼女を殺そうとしました。
一説にはゼウスが愛したレトに嫉妬したヘラが、レト抹殺のためにピュトンを送り込んで、大地の端から端までレトを追い回したとも言われています。
しかし、レトはゼウスやポセイドンらの助けによって逃げ切り、無事アポロンとアルテミスを出産しました。
アポロンは生まれるとすぐに、ピュトンを殺し、母の恨みを晴らしたのだと言います。
アポロンはピュトンの亡骸を手厚く扱い、デルポイのアポロン神殿の聖石オムパロスの下の地面の裂け目に葬りました。
オムパロスとは「へそ」の意味で、この地が世界の中心であることを示しています。
また、ピュトンのために葬礼競技大会ピューティア大祭の開催を定め、新たに開いた自分の神託所の巫女にもピューティアを名乗らせたと言います。
ピューティア大祭
古代ギリシアの大祭で、デルポイの聖地に全ギリシアから市民が訪れて開催されたアポロン神の祭儀である。
ピュティア競技祭ともいう。
大祭は8年に一度開催される音楽競技を奉納していたが、後に隣接し、重税を課す都市クリッサとの戦争に勝利してからは体育競技を加え4年に一度の大祭に変更される。
アポロンを称えるために、芸術分野の競技や、後にはオリュンピア大祭と似て、全ギリシア的に祝われた4つの古代競技祭典中の一つでもあった。
デルポイで巫女たちがトランス状態に陥るのは、地底からピュトンが吐き出す霊気によるもの、またはその死体から発生したガスによるものだと言われているそうですよ。
どちらも嫌な気がしますが…
ニシキヘビを意味する英単語「python」(パイソン)は、ピュトンの名に由来します。