ギリシャ神話における原初の神カオスの次に生まれた原初の神々のひとりであるエロスのお話しです。![]()
ある国にとても美しい3人の王女がいました。
中でも末のプシュケの美しさは絶世の美女として噂になっていました。![]()
人間の女に負けることなど思いもよらなかったアプロディテは、美の女神としての誇りから嫉妬し憎み、エロスにその金の矢を使ってプシュケに卑しい男と恋をさせるよう命じます。![]()
そして、プシュケが子孫を残さぬよう鉛の矢で撃つようにエロスに命じました。![]()
黄金で出来た金の矢に射られた者は激しい愛情にとりつかれ、
鉛で出来た矢に射られた者は恋を毛嫌うようになる
と言われていました。
いたずら好きのエロスは、喜んで母の命令に従いますが、プシュケの寝顔の美しさに惑わされ矢を撃ち損ない、ついには誤って金の矢で自身の足を傷つけてしまいます。
あらまあー、大変です![]()
プシュケに求婚者が現れないことを心配した両親は、アポロンから信託を受けます。
その神託とは、「娘を山の頂上に置き、『全世界を飛び回り、神々や冥府でさえも恐れる、マムシのような悪人』と結婚させよ」という恐ろしいものでありました。![]()
実は…
エロスはプシュケに恋をしてしまいます。![]()
しかしエロスは人間の女性に恋したことを恥じて身を隠します。でも、でも、恋心は抑えることが出来ません。![]()
そこで、エロスは魔神アポロンに化けてプシュケの両親の前に現れ、彼女を生贄として捧げるよう命じた。
と言うわけなのです。![]()
それを知らないプシュケは一人、神託に従うことを決意して、山に運ばれました。
アネモネのひとり、ゼピュロスがこの世のものとは思えない、綺麗で素晴らしい宮殿にプシュケを運びました。![]()
エロスは姿を見せることが出来ないので、宮殿の中では見えない声として、「この中のものはすべてプシュケのものです」といい、食事も音楽も何もかもが心地よく用意されていました。![]()
晴れてプシュケと同居したエロスでしたが、神であることを知られてはいけないので、夜になると寝所に現れるのみで、しかも暗闇でしかプシュケに会えませんでした。![]()
かわいそうね![]()
宮殿での生活を楽しんでいたプシュケですが、やがて家族が恋しくなり、ホームシックになってしまいます。
プシュケの豪華な暮らしに嫉妬した姉達は、姿を見せない夫は実は大蛇でありプシュケを太らせてから食うつもりなのよ!と言い、
夫が寝ている隙にカミソリで殺すべきよ!とプシュケにけしかけました。
この言葉を信じたプシュケは、寝ている夫を殺そうとローソクを持って近づくと、そこには凛々しい神の姿のエロスが照らし出されました。![]()
エロスの端正な顔と美しい姿を見て驚いたプシュケは、ロウソクのロウを落としてエロスに火傷を負わせてしまいました。![]()
妻の裏切りに怒ったエロスは、ショックでその場を飛び去ってしまいました。
エロスの美しい姿を見たプシュケも恋に陥り、人間でありながら、エロスに会いたい一心で、アプロディテの出す難題を解くため冥界に行ったりなどして、やっとエロスと再会することが出来ました。![]()
二人は愛を育み、のちにヘドネ(喜び・悦楽の意)と言う名の女神が生まれました。
*プシュケとはギリシア語で、「心・魂」の意味である。
