ギリシャ神話における原初の神カオスの次に生まれた原初の神々のひとりであるエロス。
エロスはとてもいたずらっ子で、持っている矢で人や神々を撃って遊んでいました。
ある時、エロスはアポロンに遊んでいたことを馬鹿にされ、復讐としてアポロンを金の矢で、たまたまアポロンの前にいたダプネを鉛の矢で撃ちました。
黄金で出来た金の矢に射られた者は激しい愛情にとりつかれ、鉛で出来た矢に射られた者は恋を毛嫌うようになると言われていました。
すると、アポロンはダプネへ恋心を持ち始め、彼女を追い回すようになりました。
しかしダプネは逆にアポロンを嫌って逃げました。
いよいよアポロンに追いつめられて逃げ場がなくなったとき、彼女は父・河神ラドンに頼んでその身を月桂樹に変えました。
あと一歩で手が届くところで月桂樹に変えられてしまったダプネの姿を見て、アポロンはひどく悲しみました。
そしてアポロンは、その愛の永遠の証として月桂樹の枝から月桂冠を作り、永遠に身に着けているのでした。
*ギリシア語でダプネ(daphne)とは、月桂樹という意味。