ギリシャ神話の中で、冥府に流れる「コキュートス」と言う川があります。
コキュートス川は「嘆きの川」と言われていました。
コキュートス川には、山や川、森や谷に宿り、これらを守っている精霊がいました。
その中に、ひときわ美しいメンテという精霊がいました。
地上を見回っていたハデスは、メンテの美しさに魅了されてしまい、冥府に連れて行きました。
ハデスが最初に愛した女性ですね。
ところがです。ハデスは、ペルセポネにも恋をしてしまいます。
ハデスは、地上からペルセポネをさらって冥府に連れてきちゃいました。
メンテは嫉妬に狂ってペルセポネに怒りや不満の言葉を浴びせます。
「私の方が、あなたより美しいのよ。
だから、ハデスもいずれ私とよりを戻すわ。
あなたはきっと、館から追い出されるわね!」
しかしこの言葉が母デメテルの怒りを買います。
メンテはデメテルに足で踏みつぶされて草に変えられてしまいました。
以来この草は「ミント」と呼ばれ、ハデスのそば、神殿の庭で愛らしい存在感を保ったまま咲き誇り続けました。
地上でも今も陽光を浴びるたびに芳香を放ち、人々に自分の居場所を知らせるのだと言います。
*諸説あり