ニヶ月ほど前。今年も 世界遺産に 登録された…というニュースを 聞きました。このニュースを 聞くと 思い出すことが あります。
日本で 最初に 世界遺産(自然遺産)に 登録されたのは、屋久島と 白神山地だったと思います。このニュースを 初めて聞いたのは、当時 筑紫哲也さんが 司会をしていた ニュース番組。その知らせを 報じた後に、筑紫哲也さんが 言った言葉が 忘れられません。
(世界遺産に登録された)屋久島に 入るための パスポートを 発行すべき。観光客が 屋久島に 押し寄せれば、屋久島の自然は 損なわれるはず。屋久島の自然保護に対して 理解のある人だけに、パスポートを 発行し 入島する人数を 制限した方が良い。屋久島を 第2のガラパゴス島に してはならない。
当時の私には、この言葉の本当の意味が 分かりませんでした。数年後、ガラパゴス島を 扱った番組を見て、 唖然としました。衝撃的だった映像が 二つ。観光客が 島の固有種に お菓子を 与えている様子。そして、観光客が 捨てて言ったゴミを 処分するための施設を 作るために、島の自然を ブルドーザーが 破壊していく映像。
子孫に残したい遺産を 保護するために 「世界遺産」に 登録したはずなのに、その結果、世界的な遺産が 観光客に 破壊されている現実。
もちろん、現地には 住んでいる人がいて、生活をしていかなければ ならない以上、自然保護と観光というのは、両立させていかなければ ならない…というのは、分かります。
ただ、世界遺産に 登録されれば、観光客が 押し寄せることは、充分に 予想できるわけで、登録を 申請した時点で、自然保護の対策を 練っておくべきです。
世界遺産登録後、毎年、40万人以上の 観光客が 押し寄せることになった屋久島。やはり、対策が 充分では なかった…と言います。例えば、縄文杉を 見に行くとすれば、ホテルから 往復で 一日かかります。トイレは どうするのか? 不充分だった結果、観光客の糞尿は 自然の中に 消えていくことに なった…と 聞きました。
屋久島を 題材にした映画といえば、人間と自然の共生の在り方を問う「もののけ姫」でしょうが、その映画に 憧れた 観光客が 屋久島に 押し寄せ、そこの 自然と人間の共生のバランスを 壊すことになったのは 皮肉なものです。
(続く)