以前生徒さん達に伝えたものから抜粋。

【受験部タテ書き、平仮名を連綿に変える場合】
 
受験部タテ書きを連綿に変更する際、気を付けること。
大きく4つ。
 

①連綿の形は手本脇の解説の書き方を参考にすること。

2字連綿を基本に構成していく。
3字連綿は出来たらかっこいいけれど、失敗することも多いので避けた方が無難。
(無理はしない!)
 

②文字数的に基本は各行1箇所。多くて2箇所。
各行1箇所は必ず入れたい。

 
③連綿にすると手本とは文字位置がずれてしまうので、字間が均等になるよう考え直す。

 
④ ③同様、行脚(行末)も揃わなくなるので、揃うように考え直す。
 
 
…………………………


※②は課題の文章によっては難しいです。
連綿を入れられない行が無きにしも非ず、かも。
でも、1箇所は入れられるはず。




全体を見て満遍なくうまい位置に連綿を入れていく、ということです。

用紙の上半分に連綿が集まっている
なんてことのないように、偏らないようにします。


基本は2字連綿を各行1箇所、多くても2箇所に留める。
全体のバランスを見て一行3箇所にすることもありますよ。

その際、同じ連綿線をもった連綿が隣同士にならないようにします。
隣り合ってしまった時は、どちらか一方は連綿をやめて、他の位置の文字を連綿に変更。


元々単体で完成しているお手本です。
それを連綿に変更すると当然体裁は崩れます。
そこをどう組み直していくか、再構築するのです。
感覚的にはパズルと同じですね。




ハムスターわたしのやり方ハムスター

まず最初に、連綿にして一枚書いてみる。
最初の一枚は全体の構成を見るための草稿なので、お手本はざっくりとしか観ていないし速書きです。
字粒・字間は大まか。

この段階で、「書きやすい字、書きにくい字、引きにくい線、中心を取りにくい字」等、自分にとって注意が必要な字を把握します。

●前回
3行目がほぼ漢字、4行目がall平仮名なので、4行目に連綿を集めた。


●今回

・これだと、2行目「ると」3行目「もっ」が同じような連綿で隣同士になるのでアンバランス
この2箇所に段差をつけるのは難しそう

・1行目「美し」3行目「らし」を共に連綿にしても、やはり同じ形が同じ位置に来るからおかしいだろうな

・「わり」が上手くいかない

・疎密は大丈夫そう

・字間は変えずにそのまま書いても、行脚は素直に揃うみたい

・森が大きくなる
・海が左にずれる
・然の書き順間違えた

こんな事を考えています。

全体像を確認・構築してから、字形・字粒・字間を整えて書き上げていく、と。



受験部に限らず自運で連綿を入れて書く時は、

・連綿を入れすぎない
・全体的に満遍なく配置
・苦手な連綿は作品には使わない
 (練習はする)

この3点を意識すれば良いと思います。



ここに記した内容は日ペンで学んだことはないし、このやり方が正解‼︎ということでもありません。
(そもそも書道やペン字に正解不正解なんてないのよ。誤字以外。)

いろんな所で学んだことを集約した一つの方法論です。
日ペン一本の先生方が見たら「何言ってるの〜ガーン」となるかもしれないガーン



「連綿を覚えたての頃は、何でもかんでも繋げて書いてみたいのよね。
でも、敢えて放つことを覚えなさい。
連綿が多すぎると節操がない(ピシャリ)」

大昔、或る先生に言われたことです。
品良く見えるものを書こうニコニコ