コールセンターはお客様と声でコミュニケーションをとります。
ですが、視覚情報がないなかでのコミュニケーションは、なかなか難しいものです。

オペレーターも日ごろのコミュニケーション能力を問われる場面が多いのですが、
そういう能力のトレーニングに役立つネタを少しご紹介します。

お客様のお名前・住所を聞くことが必要なセンターはあると思います。
もともと、自社でお客様情報を持っていて、本人確認の後に照会できる情報があるのであれば、特にこだわる必要もないのかもしれませんが、通販の申込のように初めてのお客様から電話で情報を聞き取る場合、慣れないと結構大変です。

まずは氏名。
読み方はちゃんと耳が聞こえれば、大抵は大丈夫だと思うのですが、
問題は漢字です。
漢字は難しいですからね、その人の教養レベルも問われますし。
そういう意味で、名前の漢字をどうやって説明するか・・・という練習は必要です。
ただ、これだけで研修をするところまでは必要ではないので、オペレーターに気づいてもらうというだけでも随分役に立つものです。

そのために、私のセンターでやっていたことは

 まず自分の名前の漢字を、口頭で説明できるようにしてください。
その際、3種類考えてください、とお願いしました。
誰もが自分の名前の漢字を説明する機会はあるのですが、いつも決まった説明になっているはずです。
それを、いつもと違った説明でやっていただきます。
これは別に宿題という形にしておけば、良いと思います。

 自分のグループ(10人くらいまで)の方の名前を説明できるようにしてください。
①は普通にできますが、②になるとちょっとお手伝いが必要です。
同じグループの人のフルネームを確認する必要があるので、名前の一覧が必要となります。
机上札に名前が記載してあれば、これも宿題でOK

 次は②をセンター内に広げます。
これは各センターによって人数も違いますので、規模によってはセンター内ではなくてもう少し段階を踏んで広げることが必要かもしれません。

 有名人(芸能人・スポーツ選手・政治家など)の名前を説明できるようにしてもらいます。


だいたい まで取り組めば、名前の漢字についてはある程度理解できるようになるはずです。あとは、 の名前を時々、朝礼の小ネタとかクイズ的なものが必要な際に掲示板に貼ったりしてオペレーターさんが自ら意識をもってもらうように、方向付けをしていければよいかなと思います。

実際にロープレまでは不要と思います。
自分で言えることは、人の言ったことも理解できるはずなので、まずは自分が言えることでトレーニングとしては終了で大丈夫です。

また ~の部分をいきなり  から取り組んでも、実際のところは良いと思います。
  から開始するなら、ペーパーテスト的にできるように思います。
ただ、あえて私がを入れて段階を経てやっているということには少し意味があります。
センター内の人を見る、知るという意味を持たせてます。
ある人の名前について考える・・・という課題を持たせることで、センター内のコミュニケーションを促進するという効果を期待しています。
他の担当も含め「人を知る」ということは、チーム意識を持たせるためにも非常に有益だと思いますし、その人の名前について考えるということはイコール、その人のことを考えることにもつながるので、思いやりも気持ちも持っていただきたいな、という観点でそうしています。

人は多く目にするものについて、良い感情を持つそうです。
毎日目にする機会があっても「見てない」ことが多いですよね。
他の部分に目を向けさせるという点で、他の方について考えていただく機会はきっと有益なことではないかと思っています。


Thanks nasu